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「医療施設のリスク対策」


 2003年7月、日本興亜損害保険株式会社が、医療事故や火災事故等医療施設が抱えるリスク対策をまとめた情報誌『医療施設のリスク対策』を発行した。医療施設をとりまく、1.火災、2.自然災害、3.労災、4.施設事故、5.犯罪、6.情報漏洩、7.食中毒、8.交通事故、9.環境汚染、10.医療事故、11.院内感染 といったリスクについて、具体的な対策をまとめている。


〈資料請求先〉
日本興亜損害保険株式会社
火災新種保険部 企業開発室 企画開発グループ
FAX:03-3593-5440



 医療施設をとりまくリスクがいかに多岐にわたっているかがわかる目次となっているが、事務局では特に最近「病院荒らし」が頻発している(下表参照)ことから「犯罪」項目に注目してみた。医療施設では不特定多数の人が出入りしていて侵入が簡単。また、プライバシー保護のため、複数の入院患者が入る部屋でもカーテンでベッドを仕切っていて不審な行動も気づかれにくい。こうした現状などが背景にあるようだ。

最近報道された「病院荒らし」
報道月日 場所 概要 被害金額等
2002/02/27(四国新聞) 西日本(16府県) 2001年7月〜2002年9月にかけて、元看護師が、見舞い客を装って病院を訪れ、入院患者らがベッドを離れた隙に現金の入ったバッグを盗む手口。元看護師を窃盗罪で起訴。 計55件。約655万円相当の現金やバッグ。
2002/05/03(中国新聞) 広島他 総合病院などで、入院患者が部屋を空けるのを見計らって病室に侵入。枕元の台のカギを壊すなどして盗みを重ね、証拠になりにくい現金だけを狙った。容疑者を窃盗容疑で逮捕。 広島で約100件、東京などを含めて計約500件。
2003/06/26(東奥日報) 青森 病院金庫破り事件で、建造物侵入と窃盗の疑いで6人を逮捕。 現金約296万円。
2003/08/13(産経新聞) 千葉 病院2階の事務室内の4個の耐火金庫がこじ開けられ、多額窃盗事件として捜査開始。 現金約1800万円、商品券・図書券など約48万円相当、歯科治療用の合金600グラム(約25万円相当)など。
2003/09/01(河北新報) 青森等 中国人窃盗団、容疑者6人を窃盗罪で再逮捕。 43件。約9000万円
2003/09/03(産経新聞) 千葉 2日、市川市の総合病院で金庫内の現金が盗まれた。 現金約247万円
3日、午前7時50分頃、千葉市の病院1階事務室の金庫がバールのようなものでこじ開けられて現金が盗まれた。 現金約500万円
3日、午前8時10分頃、八街市の総合病院で金庫がこじ開けられ、現金が盗まれた。 現金40〜50万円
2003/09/08(日経新聞) 神奈川 7月23日朝、大和市内の総合病院で、1階の窓が破られ、事務所の金庫から現金が盗まれた。 現金約1100万円。

  
 そこで、今回はこの冊子の中の「犯罪事故防止のポイント」の部分を紹介する。

 医療施設で犯罪防止を目的に人の出入管理を強化することは、施設を利用する人の利便性を阻害することにもなりかねない。そこで、下記の観点より各フロア・エリアの用途や利用者に応じた保安体制を構築することが必要となる。
  • 出入者を限定できるエリアは施錠管理を強化し、IDカードや個人識別装置により出入管理を行う
  • 外来者が出入可能なエリアは監視カメラの設置や注意を呼びかける院内放送などにより犯行の抑止を図る
  • 医療施設利用者に対しては貴重品等の管理について十分に注意を促す
 また、医療施設利用者については「医療施設内は安心である」といった意識を持っている人が多いので、危険に対する意識喚起を図ることが必要となる。

 患者さんのプライバシー保護のため、監視カメラの設置など、現実には対策が難しい点も多いと思われるが、対応可能な部分は参考にしていただきたい。

【犯罪事故防止のポイント】

ロビー・待合室・駐車場
  • 監視カメラを設置する
  • 院内放送や掲示により置き引きの注意を促す
  • 駐車場にも監視カメラを設置し、車両盗難や車上荒らしの注意書きを掲示する
医局・薬局・事務所
  • IDカードによる出入管理を行う
  • 薬品庫・薬局・カルテ保管室では、より厳重な出入管理とするため指紋・声紋等による最新の認証装置の導入を検討する
  • 事務所内の金庫については、現金等の保管は必要最小限とし金庫は工具等による破壊に強い防盗金庫を設置する
新生児室
  • IDカードや個人識別装置により、出入を関係職員と家族に限定する
  • 新生児室は看護師の常駐またはナースセンターでの監視モニターにより常時監視を行う
  • 監視カメラは録画を行い、記録を一定期間残す
入院病棟
  • 個人の貴重品を収納できるセキュリティボックスを設置する
  • 個室の場合には、利便性の高い非接触式カードリーダ等により出入管理を行う
  • 入院患者に対しては入院時に貴重品管理等についての注意を十分に行う