HOME >> コンテンツ一覧 >> ほっと情報・ほっと商品 >> 「予防接種 間違い防止の手引き」

予防接種 間違い防止の手引き


 2003年12月24日、厚生労働省健康局結核感染症課が、「予防接種 間違い防止の手引き」を各都道府県に通知しました。予防接種時の間違いを防止するために特に確認するべき事項がとりまとめられています。
 当事務局で手引きを入手しましたので、確認チェックリストや事例から学ぶ事故予防対策など、内容の一部をご紹介いたします。
 ただ、確認チェックリストをみると、このような多くのチェックを医師のみで行うというのは、現実問題として難しいと思われます。複数の人が分担し、かつ責任を明確にしてチェックを行えるような体制を整えておくことが、安全のために必要なのではないでしょうか。
 


【確認チェックリスト】

 「チェックリストについては接種予定人数分コピーを用意し、対象者ごとにチェックを行うこと」と、記載されています。
 

A. 受付時の確認事項
1) 対象者を住所、フルネーム、年齢、生年月日で確認する。
2) 予防接種の種類と回数を確認する。
3) 対象者がワクチンの対象接種年齢であるか確認する。
4) 接種歴を確認する。
5) 直前の予防接種実施日からの間隔を確認する。
6) 予診票の質問事項がすべて回答されているか確認する。
7) 検温を行い、記録する。

B. 問診時の確認事項
1) 対象者を住所、フルネーム、年齢、生年月日で確認する。
2) 予防接種の種類と回数を確認する。
3) 対象者がワクチンの対象接種年齢であるか確認する。
4) 接種歴を確認する。
5) 直前の予防接種実施日からの間隔を確認する。
6) 接種前の検温を確認する。
7) 予診票の記載に漏れがあれば確認する。
8) 診察を行い、体調を確認する。
9) 医師署名欄にサインする。
10) 保護者(インフルエンザの場合は「本人」)の承諾サインをもらう。

C. 接種時の確認事項
1) ワクチンの種類および有効期限を確認する。
2) ワクチンの外観を確認する。
3) ワクチンを吸引前によく振り混ぜる。
4) ワクチンの接種量を確認する。
5) 接種方法を確認する。

D. 接種後の確認事項
1) 使用済み注射器は適正に廃棄する。
2) 予診票、診療録、母子健康手帳、老人健康手帳などに接種日、メーカー名、ワクチンロット番号、接種量、医療機関名などを記載する。
3) 予診票を回収したか確認する。
4) 接種終了後の注意事項を説明する。
5) 副反応にそなえ、必要者には接種後30分待機させる。

E. ワクチン保管の確認事項
1) 不活性ワクチン、BCGは冷蔵庫、ポリオ生ワクチンは冷凍庫、他の生ワクチンは冷凍庫または5℃以下の冷蔵庫に保管する。
2) ワクチンの種類別に整理し、使用予定数を確保しておく。
3) 有効期限までの日数が長いものは奥に、短いものは手前に置く。
4) 保管庫の温度を記録する。

(集団接種の準備)
F. 事前の準備での確認事項
1) 予防接種の実施日時と会場を決める。
2) 接種対象者(保護者)に案内通知する。
3) 接種対象者の数により、必要な人員(医師、看護師、事務職員など)を確保する。
4) 出務医師のリストを作成する。
5) 救急用具、救急薬品を揃える。
6) 必要ワクチンの本数を確保する。
7) ワクチンの有効期限を確認する。
8) ワクチンの保管条件を確認する。
9) 必要な注射器(針)またはピペットの数を確保する。

G. 当日の準備での確認事項
1) 担当医師に接種開始時間の10分前までに会場に到着するように連絡する。
2) 救急用具、救急薬品を会場に運ぶ。
3) ワクチンの種類および有効期限を確認する。
4) ワクチンの管理条件を確認する。
5) 搬出ワクチン量を確認する。
6) 搬出注射器(針)またはピペットの数を確認する。
7) 搬出注射器(針)またはピペットの有効期限を確認する。
8) ワクチンを保管庫から取り出し、注射器(針)など必要物品とともに会場に運ぶ。
9) 十分余裕を持って会場に出発し、接種会場を設定する。

H. 予防接種液の調整
1) ワクチンの種類および有効期限を確認する。
2) ワクチンの外観を確認する。
3) ワクチンを吸引前によく振り混ぜる。
4) 滅菌済トレイ、滅菌済ガーゼ、滅菌済ピンセット、滅菌済手袋、消毒用アルコール綿等を利用して汚染しないように取り扱う。
5) 皮下注射するワクチンの場合は一人分ずつ規定量を注射器に詰める。
6) BCGの場合は添付溶剤で均等な懸濁液を作る。
7) ポリオワクチンは使用直前に融解する。


【事例から学ぶ事故予防対策】

 以下のように、間違いの事例を挙げ、それぞれに対する工夫策など解説が加えられています。
 「なお、万が一、事故が発生した場合には、速やかに実施主体である自治体に連絡し、その後の対応を協議してください」と記載されています。

間違いの事例 事故を防ぐための工夫策
接種量の誤り
  • 小学校6年生児にDTワクチンを0.5ml接種した。
  • 3歳未満児に日本脳炎ワクチンを0.5ml接種した。
  • 接種児の年齢を保護者あるいは本人に口頭で確認する。
  • 予診票やカルテに接種量を記載してから、シリンジにワクチンを接種量だけ充填する。
  • 確認しやすい場所に接種量の表を貼っておき、その都度確認する。
  • シリンジに年齢と接種量を記入する。
集団接種における事故
  • 集団接種会場で、接種済みの児が道線の不備などで再度接種した。
  • 30人に接種後、使用済み注射器の数を確認したところ、29本しかなかった。
  • とくに集団接種会場では、当日の流れをスタッフ全員が熟知しておく。
  • 対象者のフルネーム、年齢、接種予定ワクチン、接種量などを予診票に沿って確認し予診票記載がすべて終了後、接種を行う。
  • 接種終了後、予診票を確実に回収する。
  • 当日の接種予定者数に応じたワクチンおよび注射器を準備する。
  • 使用済み注射器と未使用の注射器の混在がないようなトレイの配置を行う。