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「がんにならないために、がんを早く見つけるために」

 第8回日本癌学会市民公開講座「がんにならないために、がんを早く見つけるために」が、平成18年9月30日(土)、横浜市内で開催された。
 今回はがん予防、がん検診といった身近なテーマが取り上げられた。大阪府立健康科学センターの中村正和氏による「上手な禁煙方法」、岐阜大学大学院医学系研究科疫学・予防医学分野教授の永田千里氏による「がんを防ぐ食事」、国立がんセンターがん予防・検診研究センターの森山紀之氏による「新しいがん検診方法」、大阪府立成人病センターの中山富雄氏による「知っておきたい正しいがん検診のうけ方」の順に講演があり、続いて、会場からの質問に対するパネルディスカッションも行われた。
 

 参考までに、来年(平成19年)4月1日から施行される「がん対策基本法」の中には次のような条文がある。

(国民の責務)
第6条 国民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めなければならない。
(医師等の責務)
第7条 医師その他の医療関係者は、国及び地方公共団体が講ずるがん対策に協力し、がんの予防に寄与するよう努めるとともに、がん患者の置かれている状況を深く認識し、良質かつ適切ながん医療を行うよう努めなければならない。
 そこで、今回は4番目の講演「知っておきたい正しいがん検診のうけ方」の中から、がんに対する意識のお話の一部分を、お伝えする。 


【知っておきたい正しいがん検診のうけ方】
大阪府立成人病センター 中山富雄氏

 おととし、がん検診の研究班で一般の方を対象にしたアンケート調査を行った。その結果は・・・

(患者と医療者の意識の違い)

 一般の方がなぜ検診を受けるか理由を伺ったところ、がんにかかっていない事を確認するため、がんではないという免罪符をもらったつもりで残りの1年を過ごすために受ける、という人が多かった。
 そのため、「精密検査が必要」と言われるとパニックに陥る。「もう二度と検診を受けない」という人も多々いる。
 がんの早期発見を必死で行う医師や検診担当者とは相通じない考え方である。ここが食い違いが生じる原因である。患者と医療者が理想的な関係を築くためにはお互いがお互いのことを理解する必要がある。

(日米の意識の違い)
 「非常にゆっくりしか成長しないがんがあることを知っているか」という問いには、米国の調査ではおよそ50%が知っていると回答したのに対し、日本で知っているのは30%であった。
 また、そういう「進行の遅いがんを発見するために検診を受けるか」という問いに対しては、米国の調査では50%が受けるというのに対し、日本ではがんという言葉だけに反応してしまうためか、80%が受けるという結果であった。
 日本人は米国人に比べてがんの性質に対する知識が乏しい。とにかく怖いというイメージが強い。これは医療関係者やマスコミが、がんは怖いというイメージだけを話して、中には成長の遅いがんもあるのだということを伝えてこなかったことに一因がある。