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「もっとよく知ろう“医薬品・医療機器”〜安心の医療のために〜」

 独立行政法人医薬品医療機器総合機構主催によるフォーラム「もっとよく知ろう“医薬品・医療機器”〜安心の医療のために〜」が平成18年12月2日(土)、都内で開催された。
 第1部では2名の講師による基調講演と総合機構のHP活用のためのミニセミナー、第2部では7名のパネリストによるディスカッションが行われた。
 当日の内容の一部をお伝えする。


【第1部 基調講演】
 
 講演1「ここまで知ろう 医薬品」では、澤田康文氏(東京大学大学院情報学環・薬学系研究科教授)により、医薬品は人によって効果が異なること、例え一卵性双生児であっても生活習慣の違いにより、効き方は決して同じとは限らないということなどが説明された。
 また、どんなに電子タグやICチップで安全性を高めても、患者の服薬不遵守(ノンコンプライアンス)によって起こる問題があることが、具体例を用いて紹介された。
 そして、現在は「食育」が叫ばれているが、薬の基本的なことも中学生ぐらいから学んでほしい、「薬育」も必要だ、という提言がなされた。

 講演2「ここまで見える からだの中」では、福田国彦氏(東京慈恵会医科大学教授)により、1985年のX線にはじまり、CT、MRI、最近では1998年のマルチスライスCT発見など、画像診断の進歩の歴史が紹介された。
 また、2001年にアメリカの内科医に「あなたにとって最近30年間で最も重要な医学の進歩は何ですか」というアンケートをとったところ、第1位がMRIとCTだったという調査結果も説明された。

 ミニセミナーでは、総合機構のHP活用について、コーディネーターの好本惠氏と総合機構職員2名によって説明された。
 総合機構HP中の医薬品医療機器情報提供ホームページでは、患者向医薬品ガイドや、医薬品医療機器ヒヤリハット事例情報などを見ることができる。また、同HP中では、健康被害救済制度の内容や手続に必要な書類一覧なども見ることができる。


【第2部 パネルディスカッション】
 
 パネルディスカッションのテーマは「安心の医療のために」。パネリストは次の7名。
 青木初夫氏(日本製薬工業協会会長)、岸本葉子氏(作家)、澤田康文氏(東京大学大学院情報学環・薬学系研究科教授)、福田国彦氏(東京慈恵会医科大学教授)、間宮清氏(全国薬害被害者団体連絡協議会副代表世話人)、和地孝氏(日本医療機器産業連合会会長)、宮島彰氏(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長)。
 好本惠氏(元NHKアナウンサー)をコーディネーターとして、次のような様々な意見が述べられた。

  • サリドマイドは、海外ではアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、韓国で既に使われているが、アメリカには「S.T.E.P.S.」(注)という安全管理システムがある。日本でも今年の8月にサリドマイドが承認申請され、復活の動きがあるが、厳格なルールの下で使ってほしい。
  • 動物実験や臨床試験でも発見されない、何万人に1人しか発現しないような発生確率の低い副作用が市販後にみつかることがある。
  • 今後は、薬の審査段階におけるリスクの抑制に加え、市販直後の安全性情報の収集に特に力を入れ、その情報を速やかに分析・評価することで、予測・予防型の安全対策にシフトする。
  • 医師は薬に関する情報収集のために、もっと薬剤師を活用すべきである。
  • 薬の有効性は知らされても、リスク、副作用の何に気をつければよいのかという情報はあまり伝わってこない。
  • 飲み忘れて自宅に残っている薬は勝手に飲まないように。手元にある薬は医師に伝えること。
  • 患者は情報の受け手であると同時に発する側でもある。以前に薬を飲んだときにどうなったか自分のことを伝える、もらった薬がいつもと同じかどうか確かめる、違ったら言う、そういうことも大事。
  • 検査を受ける際には、本当にこの検査が必要なのか、患者側から確認することも必要。
  • 医療機器は歴史が浅いため、教育やトレーニングのシステムが不足している。医療機器専門家の育成が必要である。
  • 産科・小児科医の不足が言われているが、画像診断や病理診断の出来る医師も少ない。患者に直接触れることはないが、これらの医師の適正配置も必要である。
  • 医薬品用語の標準化は国際レベルで行われている。辞書も作る動きがある。

(注)S.T.E.P.S.(System for Thalidomide Education and Prescribing Safety)
米国Celgene社によるサリドマイドの安全管理システム。サリドマイドを処方するたびに医師・薬剤師がその詳細をCelgene社に報告することを必須とするとともに、サリドマイド使用患者全員を一元管理するというもの。