Q: 医療事故と医療過誤をどのように見分けたらよいのでしょうか。
(更新日:2006-3-29)
A: これはリスクマネジメントの現場で一番ご苦労されている点かと思います。千葉県立の8病院では2005年の6月から月1回、千葉県病院局に提出されたレベル3と4の全事例について、(現時点では暫定的ですが)4タイプに分けて事例検討を行っています。
タイプAというのは医療行為に関わる事故で、通常合併症といわれている、例えば中心静脈栄養のライン確保の時に気胸を起こしたケースで、全部県立病院群では医療事故としてタイプAで分析をしています。
タイプBというのは医療過誤で過失その他によって患者様に悪影響がでたというようなものが該当します。例えばインシュリンの投与量を10倍多く間違えて投与した結果、低血糖が発生したケースとか、あるいはご高齢の方に通常量の睡眠薬の点滴、例えばサイレースの点滴を行ってみたところ呼吸停止になってしまったというようなケースはタイプBとしています。
タイプCというのは医療機器や設備等、施設が関わる場合、例えば生体試料を冷凍保存している冷凍庫が故障してサンプルが解けてしまったというようなものや人工呼吸器のトラブルはここに分類されます。
タイプDは不可抗力、あるいは施設とか人に関わらないものということで、例えば患者様の自損事故や転倒、あるいは自殺、飛び降り自殺等もここに分類するというかたちです。
毎月だいたい十数件のレベル3、4の事例について、タイプ分けをしてディスカッションをやります。その月の司会がタイプ分けをしますが、中には例えばタイプBのマルプラクティス(過誤)としてあげていたものが、ディスカッションの結果、Aの合併症になることもあるし、Aとしてあげていたものが、Bの過誤になる場合もあります。
今までディスカッションを重ねてきた中で、その医療事故が予見できたかどうかというところが、非常に重要でした。例えば患者様がある程度ハイリスクで転倒を起こし易いということがわかっていたにもかかわらず、必要な転倒予防策をうたなかった場合にはBの過誤にしようというようにしました。8病院では県立の医療センターのドクターの提案で、統一基準で簡易式の長谷川式のスケールを使い認知症の程度をスコアリングします。認知症の方は長谷川式のスケールが20未満ですので、そういった方には相当程度の予防策を講じるというようなことをしています。
また、事前にある程度必要なインフォームドコンセントがされた上で行われた医療行為かどうかということも非常に重要です。例えば気胸を起こす引き金となった中心静脈栄養の穿刺の場合もご家族に十分説明をされた場合にはこれはAだと、ところがある医療行為で十分なインフォームドコンセントがされないで事故が起きた場合にはBという扱いもでてくるということです。診療行為そのものだけではなくて、患者様のリスクの評価も予見性やあるいは一定の確率でどのような形で起るかということについての説明が不十分だった場合には、過誤として扱われるというようなことがあります。
タイプAというのは医療行為に関わる事故で、通常合併症といわれている、例えば中心静脈栄養のライン確保の時に気胸を起こしたケースで、全部県立病院群では医療事故としてタイプAで分析をしています。
タイプBというのは医療過誤で過失その他によって患者様に悪影響がでたというようなものが該当します。例えばインシュリンの投与量を10倍多く間違えて投与した結果、低血糖が発生したケースとか、あるいはご高齢の方に通常量の睡眠薬の点滴、例えばサイレースの点滴を行ってみたところ呼吸停止になってしまったというようなケースはタイプBとしています。
タイプCというのは医療機器や設備等、施設が関わる場合、例えば生体試料を冷凍保存している冷凍庫が故障してサンプルが解けてしまったというようなものや人工呼吸器のトラブルはここに分類されます。
タイプDは不可抗力、あるいは施設とか人に関わらないものということで、例えば患者様の自損事故や転倒、あるいは自殺、飛び降り自殺等もここに分類するというかたちです。
毎月だいたい十数件のレベル3、4の事例について、タイプ分けをしてディスカッションをやります。その月の司会がタイプ分けをしますが、中には例えばタイプBのマルプラクティス(過誤)としてあげていたものが、ディスカッションの結果、Aの合併症になることもあるし、Aとしてあげていたものが、Bの過誤になる場合もあります。
今までディスカッションを重ねてきた中で、その医療事故が予見できたかどうかというところが、非常に重要でした。例えば患者様がある程度ハイリスクで転倒を起こし易いということがわかっていたにもかかわらず、必要な転倒予防策をうたなかった場合にはBの過誤にしようというようにしました。8病院では県立の医療センターのドクターの提案で、統一基準で簡易式の長谷川式のスケールを使い認知症の程度をスコアリングします。認知症の方は長谷川式のスケールが20未満ですので、そういった方には相当程度の予防策を講じるというようなことをしています。
また、事前にある程度必要なインフォームドコンセントがされた上で行われた医療行為かどうかということも非常に重要です。例えば気胸を起こす引き金となった中心静脈栄養の穿刺の場合もご家族に十分説明をされた場合にはこれはAだと、ところがある医療行為で十分なインフォームドコンセントがされないで事故が起きた場合にはBという扱いもでてくるということです。診療行為そのものだけではなくて、患者様のリスクの評価も予見性やあるいは一定の確率でどのような形で起るかということについての説明が不十分だった場合には、過誤として扱われるというようなことがあります。
Q: PDAを使用できる環境の中で、忙しくてPDAを使用しなかったという理由で違う患者さんに抗生剤を間違えて投与したという事例がありました。
PDAの使用を徹底するための良い方策はありますか。
PDAの使用を徹底するための良い方策はありますか。
(更新日:2006-3-29)
A: 徹底するというのは結果に過ぎません。使用しなかったのは就労関係の問題なのか、あるいは業務なのかということを徹底的にディスカッションすることです。そこから活用しきれない背景がどこにあるのか、それはただ単にスタッフの医療安全に対するカルチャーの問題なのか、あるいは業務上の問題なのか、例えば導線をもう少し解析してみるなどの考え方があるかと思います。PDAを活用できない原因がどこなのかを解析しないとお題目のようにただこの機械を使って下さいというような形では再発防止にはつながらないと思います。
Q: 医療事故の当事者への配慮について。
(更新日:2006-3-29)
A: これについては透析事故の事案の時の経過をお話すると参考になるかと思います。
当事者、ここでは2人の看護師と1人の医師がおりますが、特に看護師でペアンを外した方と、ポンプの操作ミスをした方が遺族への謝罪にお通夜の時も告別式にもいきました。これまでの同様の事案の中には「帰れ」と遺族の方からお叱りの言葉を受けたこともあったように聞きます。私たちの場合は早い段階から、透明性を確保しながら誠意をもって対応してまいりましたので、比較的ご遺族からの厳しい叱責というのは当事者にはなかったというのは、不幸中の幸いでした。
その後、私が前面にでてご遺族側との示談の交渉を徐々に進めていきまして最終的に示談の方向が見えてきたのが、事故後約5ヶ月くらいでした。
その時点で2人の看護師が看護部長と一緒にご自宅にお焼香に行ったという経緯があります。
その後、書類送検された後に、遺族側から警察へ嘆願書というものが出されまして、その後の進捗上配慮された、ということも聞いております。そういう意味では当事者に対する配慮というものは院内でのサポート体制の強化であり、特定のスタッフが悪いんだという形は絶対避けることが大切です。病院全体で起こした事故だということでやってまいりました。少なくとも遺族側から見た時に特定のスタッフに非難が集中するようなことは極力避け、病院長が前面に出て、病院としてどう対応するかということをずっとやってまいりました。例えば講演会とか研修会でこの透析事故の事例を報告させていただくときも極力ご遺族のところには報告にあがっているという形でお話をさせていただいています。そういったことが、結局は嘆願書を書いていただけたというところにつながっているのではないかと思います。
故意に医療事故を起こしたのではなくて、実は医療事故にかかわったスタッフも被害者の一人なのだという視点がある意味で遺族側と共有できるようになれば不幸中の幸いなのではないかと思います。そういったことに応えられるのは、再発防止への真摯な取り組みではないかと思います。
ご遺族ご家族への説明は、専門分野が異なっていたとしても担当医から十分話しを聞いたうえで、院長もしくは次席のものが行うべきです。担当医を前面に出すというのは、私はあまり賛成しません。やはり医療機関側としてどうするかということがご遺族やご家族にとって非常にインパクトがある部分なのです。また私見ではありますが、院長の立場にある者というのは、こうした事故の時の対応のために院長がいるのだということを十分に自覚しておくことが必要です。担当医は病院長の裏にいていいのではないかと私は考えています。
当事者、ここでは2人の看護師と1人の医師がおりますが、特に看護師でペアンを外した方と、ポンプの操作ミスをした方が遺族への謝罪にお通夜の時も告別式にもいきました。これまでの同様の事案の中には「帰れ」と遺族の方からお叱りの言葉を受けたこともあったように聞きます。私たちの場合は早い段階から、透明性を確保しながら誠意をもって対応してまいりましたので、比較的ご遺族からの厳しい叱責というのは当事者にはなかったというのは、不幸中の幸いでした。
その後、私が前面にでてご遺族側との示談の交渉を徐々に進めていきまして最終的に示談の方向が見えてきたのが、事故後約5ヶ月くらいでした。
その時点で2人の看護師が看護部長と一緒にご自宅にお焼香に行ったという経緯があります。
その後、書類送検された後に、遺族側から警察へ嘆願書というものが出されまして、その後の進捗上配慮された、ということも聞いております。そういう意味では当事者に対する配慮というものは院内でのサポート体制の強化であり、特定のスタッフが悪いんだという形は絶対避けることが大切です。病院全体で起こした事故だということでやってまいりました。少なくとも遺族側から見た時に特定のスタッフに非難が集中するようなことは極力避け、病院長が前面に出て、病院としてどう対応するかということをずっとやってまいりました。例えば講演会とか研修会でこの透析事故の事例を報告させていただくときも極力ご遺族のところには報告にあがっているという形でお話をさせていただいています。そういったことが、結局は嘆願書を書いていただけたというところにつながっているのではないかと思います。
故意に医療事故を起こしたのではなくて、実は医療事故にかかわったスタッフも被害者の一人なのだという視点がある意味で遺族側と共有できるようになれば不幸中の幸いなのではないかと思います。そういったことに応えられるのは、再発防止への真摯な取り組みではないかと思います。
ご遺族ご家族への説明は、専門分野が異なっていたとしても担当医から十分話しを聞いたうえで、院長もしくは次席のものが行うべきです。担当医を前面に出すというのは、私はあまり賛成しません。やはり医療機関側としてどうするかということがご遺族やご家族にとって非常にインパクトがある部分なのです。また私見ではありますが、院長の立場にある者というのは、こうした事故の時の対応のために院長がいるのだということを十分に自覚しておくことが必要です。担当医は病院長の裏にいていいのではないかと私は考えています。