Q: 着手金について
患者側が敗訴した場合、代理人弁護士に支払った着手金は返還されますか。
患者側が敗訴した場合、代理人弁護士に支払った着手金は返還されますか。
(更新日:2002-4-17)
A:着手金とは、「事件又は法律事務の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいう」とされており、患者側が敗訴した場合にも、その返還はなされません。
Q: 和解金額の決定について
医療事故が発生し院内で和解する場合、和解金額はどのようにして決めたら良いのでしょうか。
医療事故が発生し院内で和解する場合、和解金額はどのようにして決めたら良いのでしょうか。
(更新日:2002-4-17)
A:「和解」金額である以上、その額は、両当事者が納得できる額である必要があります。
しかし、実際に和解する場合には、まずは医療機関側が一つの案としてある程度の額を提示することになると思われます。その額の算出は、医療事故に伴う損害賠償金の算定の考え方を参考にすることが、一つの方法として考えられます。
ただ、この額が、必ずしも患者の希望にそったものではない場合もあります。こうした場合には、いくつかの関連判例等を示しながら、和解を進めていくのも一つの方法のように思われます。
ただ、この額が、必ずしも患者の希望にそったものではない場合もあります。こうした場合には、いくつかの関連判例等を示しながら、和解を進めていくのも一つの方法のように思われます。
Q: 訴訟の増加について
医療事故損害賠償請求訴訟の新規提起数は、この10年間で倍増しています。なぜ、新規提起数は、このように著しく増加したのでしょうか。医療事故自体の数が増加しているのでしょうか。
医療事故損害賠償請求訴訟の新規提起数は、この10年間で倍増しています。なぜ、新規提起数は、このように著しく増加したのでしょうか。医療事故自体の数が増加しているのでしょうか。
(更新日:2002-4-17)
A:医療訴訟の増加が医療事故自体の増加によるものかどうかはわかりません。もちろん、医療が複雑・高度化するにつれ、事故の数も増加しているものと思われます。しかし、医療訴訟が10年間で倍増したのと同じく、医療事故自体の数が10年間で倍増したとも思えません。
では、この数は、何故、この10年間で倍増したのでしょうか。
これに関しては、しばしば、患者の権利意識の向上等が、その理由としてあげられています。これもその原因の一つであるとは考えられます(ただ、「権利意識」が本当に向上しているかどうかについては、慎重な議論が必要です)。しかし、患者の訴訟へのアクセスが容易になったことが、この最大の原因だろうと思われます。つまり、近年では、患者支援団体の活動も活発化し、患者の権利擁護に努めようとする弁護士の数も増加しました。これまではたとえ患者が訴えを提起しようと考えても、そのための情報は少なく、また医療事故事件の処理を依頼できる弁護士も、多くはいませんでした。
では、この数は、何故、この10年間で倍増したのでしょうか。
これに関しては、しばしば、患者の権利意識の向上等が、その理由としてあげられています。これもその原因の一つであるとは考えられます(ただ、「権利意識」が本当に向上しているかどうかについては、慎重な議論が必要です)。しかし、患者の訴訟へのアクセスが容易になったことが、この最大の原因だろうと思われます。つまり、近年では、患者支援団体の活動も活発化し、患者の権利擁護に努めようとする弁護士の数も増加しました。これまではたとえ患者が訴えを提起しようと考えても、そのための情報は少なく、また医療事故事件の処理を依頼できる弁護士も、多くはいませんでした。
Q: 「ヘルス・コミュニケーション」と「ヒューマン・コミュニケーション」について
「ヘルス・コミュニケーション」と「ヒューマン・コミュニケーション」には、どのような違いがありますか
「ヘルス・コミュニケーション」と「ヒューマン・コミュニケーション」には、どのような違いがありますか
(更新日:2002-4-17)
A:「ヒューマン・コミュニケーション」は、広く人間同士のコミュニケーションをその対象範囲としており、ヘルス・コミュニケーションは、ヒューマン・コミュニケ-ションのうち、特に医療に関係するコミュニケーションをその対象範囲としています。
Q: インフォームド・コンセントについて
本人が意思表示できない場合、説明に基づく同意は、どのようにして得れば良いのでしょうか。
本人が意思表示できない場合、説明に基づく同意は、どのようにして得れば良いのでしょうか。
(更新日:2002-4-17)
A:患者に同意能力がない場合は患者の代理決定者に説明し、患者の代理決定者から同意を得る必要があります。代理決定者とは以下の者です。
代理決定者
患者が未成年→親権者
患者が精神障害者→保護者
(患者が意識のない高齢の末期患者等→配偶者や子供など最近親者)
(参考)
●インフォームド・コンセントの成立要件
(1) 患者の同意能力の存在
(2) 患者への十分な説明
(3) 患者の説明の理解
(4) 患者の同意
●同意能力
同意能力とは、法律行為を行う能力とは異なり、これから実施しようとする医療に対してなされた説明を理解でき、その説明に基づく同意がどのような意味をもっているのかを判断できる能力です。したがって、たとえ未成年者であっても、この能力がある者が医療の実施に同意すれば親権者の同意がなくても医療従事者は医療を適法に実施することができます。
ただ、同意能力の有無が医的侵襲の内容やその結果を理解できるかどうかで判断されるため、同じ患者でも、その有無は個別の医療行為ごとに判断されなければなりません。例えば、中学生の患者に対する「抜歯に対する同意」は有効であるが「脳腫瘍の手術に対する同意」は有効でないといった具合になります。
代理決定者
患者が未成年→親権者
患者が精神障害者→保護者
(患者が意識のない高齢の末期患者等→配偶者や子供など最近親者)
(参考)
●インフォームド・コンセントの成立要件
(1) 患者の同意能力の存在
(2) 患者への十分な説明
(3) 患者の説明の理解
(4) 患者の同意
●同意能力
同意能力とは、法律行為を行う能力とは異なり、これから実施しようとする医療に対してなされた説明を理解でき、その説明に基づく同意がどのような意味をもっているのかを判断できる能力です。したがって、たとえ未成年者であっても、この能力がある者が医療の実施に同意すれば親権者の同意がなくても医療従事者は医療を適法に実施することができます。
ただ、同意能力の有無が医的侵襲の内容やその結果を理解できるかどうかで判断されるため、同じ患者でも、その有無は個別の医療行為ごとに判断されなければなりません。例えば、中学生の患者に対する「抜歯に対する同意」は有効であるが「脳腫瘍の手術に対する同意」は有効でないといった具合になります。
Q: 裁判以外の紛争解決手段としての相談機関等にはどういうものがありますか。
(更新日:2002-9-9)
A: 都道府県医師会などにおける紛争処理委員会や、日本医師会の賠償責任審査会、この他にもこのごろはNPOというような形でさまざまな機関が作られています。
Q: ソーリー法について
(更新日:2003-1-14)
A: アメリカ、カリフォルニア州は、2001年1月1日より、医療事故等の発生時の謝罪をめぐり、ソーリー法(Sorry Law)と呼ばれる法を導入しました。これは、事故の発生時に「アイム・ソーリー」と言っても、後の訴訟の中で、これを「過失」や「責任」を認める発言とはしないことを宣言するものでした。
ただ、いくらこの法があるからと言っても、たとえば「お気の毒です」というようなものであれば保護されますが、「私の行為が被害を発生させて申し訳ありません」というようなものであれば、それはやはり過失を認めたことになってしまいます。
ただ、いくらこの法があるからと言っても、たとえば「お気の毒です」というようなものであれば保護されますが、「私の行為が被害を発生させて申し訳ありません」というようなものであれば、それはやはり過失を認めたことになってしまいます。
Q: 手数料等の計算について
手数料等の計算方法がわかりません。
手数料等の計算方法がわかりません。
(更新日:2003-1-15)
A: 手数料、つまり、裁判を起こす際に訴状に貼る印紙代ですが、これは民事訴訟費用等に関する法律により定められています。この計算式にしたがって、①訴額が15万円の場合、②50万円の場合、③1億円の場合の計算を行ってみます。
まず①訴額が15万円の場合です。法律が示す計算式によりますと訴額が30万円以下の場合には、手数料は5万円までごとに500円となっていますので、訴額が15万円の場合の手数料は、500円×3の1,500円となります。
では次に②訴額が50万円の場合です。計算式によりますと、訴額が100万円以下の場合は、30万円までの分につき5万円までごとに500円、30万円を超え100万円の分については5万円までごとに400円となっています。したがって、訴額が50万円の際の手数料は、30万円以下の部分につき500円×6の3,000円、30万円を超え50万円までの部分につき400円×4の1,600円の合計、4,600円となります。
では、③訴額が1億円の場合の手数料はいくらになるでしょうか。同じように計算して、417,600円となります。
まず①訴額が15万円の場合です。法律が示す計算式によりますと訴額が30万円以下の場合には、手数料は5万円までごとに500円となっていますので、訴額が15万円の場合の手数料は、500円×3の1,500円となります。
では次に②訴額が50万円の場合です。計算式によりますと、訴額が100万円以下の場合は、30万円までの分につき5万円までごとに500円、30万円を超え100万円の分については5万円までごとに400円となっています。したがって、訴額が50万円の際の手数料は、30万円以下の部分につき500円×6の3,000円、30万円を超え50万円までの部分につき400円×4の1,600円の合計、4,600円となります。
では、③訴額が1億円の場合の手数料はいくらになるでしょうか。同じように計算して、417,600円となります。

Q: 着手金の計算方法がわかりません。
(更新日:2004-2-2)
A:図を参照して、①経済的利益の額が200万円、②1,000万円、③1億円の場合の着手金の計算方法を例示します。
①経済的利益の額が200万円の場合
経済的利益の額が300万円以下の場合、着手金の額は、経済的利益の額の8パーセントとなります。したがって、経済的利益の額が200万円の場合の着手金は、200万円の8パーセントで16万円となります。
②経済的利益の額が1,000万円の場合
経済的利益の額が300万円を超え、3,000万円以下の場合、着手金は、次のように計算します。つまり、まず、経済的利益の額が300万円以下の部分について、その額の8パーセントの額を算出します。次に、経済的利益の額が300万円を超え3,000万円以下の部分について、その部分の額(経済的利益が1,000の場合は、1,000万円−300万円=700万円)の5パーセントの額を算出します。最後に、この2つの算出額を合計します。
したがって、経済的利益の額が1,000万円の場合の着手金の額は、300万円の8パーセント額(24万円)+700万円の5パーセントの額(35万円)=59万円となります。
③経済的利益の額が1億円の場合
①、②と同様に計算し、着手金は369万円となります。
①経済的利益の額が200万円の場合
経済的利益の額が300万円以下の場合、着手金の額は、経済的利益の額の8パーセントとなります。したがって、経済的利益の額が200万円の場合の着手金は、200万円の8パーセントで16万円となります。
②経済的利益の額が1,000万円の場合
経済的利益の額が300万円を超え、3,000万円以下の場合、着手金は、次のように計算します。つまり、まず、経済的利益の額が300万円以下の部分について、その額の8パーセントの額を算出します。次に、経済的利益の額が300万円を超え3,000万円以下の部分について、その部分の額(経済的利益が1,000の場合は、1,000万円−300万円=700万円)の5パーセントの額を算出します。最後に、この2つの算出額を合計します。
したがって、経済的利益の額が1,000万円の場合の着手金の額は、300万円の8パーセント額(24万円)+700万円の5パーセントの額(35万円)=59万円となります。
③経済的利益の額が1億円の場合
①、②と同様に計算し、着手金は369万円となります。

Q: 患者と医師が相談のうえ、治療方法を決定しました。しかし、有害事象が発生してしまいました。この場合、やはり医療側は損害賠償責任を負いますか。
(更新日:2006-1-16)
A: 医療行為に過失があって有害事象が発生した場合には、医療側に損害賠償責任が発生します。一方、発生した有害事象が不可抗力によるものであり、その発生の可能性について、あらかじめ説明がなされていれば、医師には損害賠償責任は発生しません。
ただし、発生した有害事象が不可抗力によるものであっても、その発生の可能性が事前に説明されていなければ、医療側に損害賠償責任が発生する可能性があります(インフォームド・コンセントの法理)。
ただし、発生した有害事象が不可抗力によるものであっても、その発生の可能性が事前に説明されていなければ、医療側に損害賠償責任が発生する可能性があります(インフォームド・コンセントの法理)。
Q: 以前、医療関係者を対象とした医療事故対策の講習会において、「事故が起きてしまった際には、絶対に謝らないように」ときつく指導されましたが、このことについてどのようにお考えですか?
(更新日:2006-1-16)
A: 医療事故が発生した場合でも、その事故が不可抗力による場合と医療過誤による場合があります。謝罪の必要性は事故の内容によって異なります。つまり、後者の場合には当然謝罪の必要がありますが、前者の場合では謝罪の必要はありません。ただ、前者の場合に謝罪の必要はないとはいえ、事実に基づく十分な経過説明など、事故に向き合う姿勢は不可欠です。
なお、示されている講習会において「医療過誤が発生した場合でも絶対に謝らないように」と指導されたとすれば、それについてのコメントの余地はありません。こうした姿勢が、わが国の医療不信を招いたともいえるのではないでしょうか。
ただ、医療事故が発生した場合、その当初は、それが不可抗力によるものか、医療過誤によるものかわからない場合もあるものと思われます。だからこそ、事故が発生した場合に、医療機関は、早急に事実を明らかにし、その事故を検証しなければなりません。
なお、示されている講習会において「医療過誤が発生した場合でも絶対に謝らないように」と指導されたとすれば、それについてのコメントの余地はありません。こうした姿勢が、わが国の医療不信を招いたともいえるのではないでしょうか。
ただ、医療事故が発生した場合、その当初は、それが不可抗力によるものか、医療過誤によるものかわからない場合もあるものと思われます。だからこそ、事故が発生した場合に、医療機関は、早急に事実を明らかにし、その事故を検証しなければなりません。
Q: 看護師は、「万一訴えられたら記録が大事」と日々言われ、事実を適確に記録しています。しかし、医師においてはまちまちで、他者にはほとんど読めない字で記録していたり、長い診察の割に1~2行で記録が終わっていたりということが繰り返されています。看護記録以上に医事記録は重要ではないでしょうか?
(更新日:2004-11-12)
A: カルテ・看護記録等の記録は、(1)患者の当時の病態、(2)行った医療行為の適否(医療行為がなされていなければその適否)等を、後に明らかにするうえで極めて重要な資料です。医師法も24条に「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。」と規定しています。このため、医師は、行った医療行為をできるだけ詳細にカルテに記載しておくことが望まれます。もし記載しておかなければ、訴訟の際に、その医療行為は行っていなかったとみなされる可能性もあります。たとえば、岐阜地裁昭和49年3月25日判決は、次のように述べています。
『前記の如く短期間に三度担当小児科医が交替しているのであるから、かかる場合カルテは確実な引継ぎのために通常よりも一層詳細に記載されることが期待されていたものといわなければならず、右カルテの不記載の事実は一応これを問題としなければならない。けだし、カルテの不記載の事実は患者の症状が異状がないと考えたから記載しなかったものであるとは当該カルテの他の箇所の記載と比較する限り直ちに推定することができず、更に医師法第二四条によれば、医師は患者を診察したときは診療に関する事項を記載した診療録(カルテ)を作成し、これを五年間保存しなくてはならないところ、カルテの作成、保存を医師に義務づけたのは、医師の診療行為の適正を確保するとともに患者との関係で後日医師の診療をめぐって生起するかもしれない問題(再診療、医療費請求、医療過誤による損害賠償請求等)の法的紛争についての重要な資料となるものでありカルテに記載がないことはかえって診察をしなかったことを推定せしめるものとすら一般的にはいうことができるからである。』
また、他の事件において、広島地方裁判所平成6年12月19日判決は、次のように述べています。
『麻酔管理の誤り、帰室後のバイタルサインの観察の不備及びアスベリン・ペリアクチンの投与について担当医は、看護婦は巡回の都度、バイタルサインの検査はしたが、問題がなかったので記録していないものであると供述するが、看護記録等にそれに見合うバイタルサインの記載がない本件の証拠関係の下において、他に右の点を客観的に裏付ける資料がない以上、看護婦がバイタルサインの検査を実際に行ったものと認定することは困難というべきである。』
このように、医師によるカルテの記載が重要であることに疑いはありませんが、看護師による看護記録の記載も、必要に応じて極めて重要であるといえます。
なお、特に近年、患者の診療には、多くの場合、一人ではなく複数の医師がかかわるようになりました。こうしたとき、わかりやすい記録を作成することは、これまで以上に重要であると思われます。つまり、そうしなければ、記録の読み違いによる医療事故が発生することも考えられるからです。
また、このごろは、診療記録の開示請求がしばしばなされるようになりました。こうした状況を考えれば、よりわかりやすい記録を作成することも重要であるように思われます。
『前記の如く短期間に三度担当小児科医が交替しているのであるから、かかる場合カルテは確実な引継ぎのために通常よりも一層詳細に記載されることが期待されていたものといわなければならず、右カルテの不記載の事実は一応これを問題としなければならない。けだし、カルテの不記載の事実は患者の症状が異状がないと考えたから記載しなかったものであるとは当該カルテの他の箇所の記載と比較する限り直ちに推定することができず、更に医師法第二四条によれば、医師は患者を診察したときは診療に関する事項を記載した診療録(カルテ)を作成し、これを五年間保存しなくてはならないところ、カルテの作成、保存を医師に義務づけたのは、医師の診療行為の適正を確保するとともに患者との関係で後日医師の診療をめぐって生起するかもしれない問題(再診療、医療費請求、医療過誤による損害賠償請求等)の法的紛争についての重要な資料となるものでありカルテに記載がないことはかえって診察をしなかったことを推定せしめるものとすら一般的にはいうことができるからである。』
また、他の事件において、広島地方裁判所平成6年12月19日判決は、次のように述べています。
『麻酔管理の誤り、帰室後のバイタルサインの観察の不備及びアスベリン・ペリアクチンの投与について担当医は、看護婦は巡回の都度、バイタルサインの検査はしたが、問題がなかったので記録していないものであると供述するが、看護記録等にそれに見合うバイタルサインの記載がない本件の証拠関係の下において、他に右の点を客観的に裏付ける資料がない以上、看護婦がバイタルサインの検査を実際に行ったものと認定することは困難というべきである。』
このように、医師によるカルテの記載が重要であることに疑いはありませんが、看護師による看護記録の記載も、必要に応じて極めて重要であるといえます。
なお、特に近年、患者の診療には、多くの場合、一人ではなく複数の医師がかかわるようになりました。こうしたとき、わかりやすい記録を作成することは、これまで以上に重要であると思われます。つまり、そうしなければ、記録の読み違いによる医療事故が発生することも考えられるからです。
また、このごろは、診療記録の開示請求がしばしばなされるようになりました。こうした状況を考えれば、よりわかりやすい記録を作成することも重要であるように思われます。
Q: 医師がムンテラ内容をカルテに記入しなかった場合など、看護師が看護記録に書いても問題ありませんか?
(更新日:2004-11-12)
A: 看護記録は看護に関する記録であるため、医師の診療行為についてはカルテに書くことが基本となります。
Q: 診療録に医師の診察記録・記載がない場合、どのようにすればよいでしょうか?
(更新日:2004-11-12)
A: 必要不可欠なものであれば、医療機関の管理者が、責任をもって、その医師に記載を命じるべきだと思われます。
Q: 治療が適切に行われるためには、医師・患者間のコミュニケーションが大切です。このコミュニケーションの成立に医師が努力することは当然のことですが、現実には問診にきちんと答えなかったり、罵倒するような言葉を吐いたり、極端な場合は飲酒下やけんか腰で病院を受診する患者もあります。医師・患者間の適切なコミュニケーションと適切な治療のために、医師と同じく患者さんの満たすべき条件も必要ではないでしょうか?
(更新日:2004-11-12)
A: 患者は、医療を受けるにあたり、以下のような義務を負います。こうした義務を果たさない場合は、それが病気によるものでない限り、医師の診療拒否が許容される場合もあるものと思われます(ただ、医師は、医師法により基本的には診療を拒否することは許されません)。
■診療に協力する義務
医師が、適切に診察・治療を行おうと考えていても、患者が医師に協力しなければ、十分な診療効果は期待できません。このため、患者は、診療契約に基づき、診療に協力する義務を負うことになります。この義務は、(1)医師への説明義務、(2)医師の指導に従う義務などです。
(1)医師への説明義務
まず、医師への説明義務についてです。医療は、医師と患者の協力のもとで行われなければ、効果をあげることは出来ません。そのため、患者は、医師に対し、どこが、どのように、また、いつ頃から不良なのか、できる限り正確に伝える義務を負います。体調不良の場合など、症状を十分に伝えることができない場合もありますが、説明が面倒だからといったことで、医師への説明を省略することは、患者の義務を果たしていないことになります。
(2)医師の指導に従う義務
また、患者は、医師の指導に従う義務も負います。これも、医療が医師と患者との協力のもとで行われることからして、患者に課せられる当然の義務だと考えられます。この義務は、医師に療養方法等の指導義務を課す医師法23条からも、間接的に、派生します。
例えば、アルコール性肝障害で治療を受けている患者が、飲酒を控える医師の指導にもかかわらず、こっそりと飲酒を続けていればどうでしょうか。また、糖尿病で治療を受けている患者が、医師の療養指導に反して、暴飲暴食を続ければどうでしょうか。あるいは、医師が定期的な受診の指示をしているにもかかわらず、指示に従った受診をせずに、体調がいっそう不良になった場合だけ受診していればどうでしょうか。このような場合には、医師がいくら適切な診療を実施しても、患者の疾患の改善は望めません。医療政策的な視点からではありますが、医師の指示にも従わず受診を続ける患者は、貴重な医療資源を浪費していることを認識すべきです。
■診療費用の支払義務
診療を受けた患者は、診療契約に基づき、その費用を支払う債務を負います。
■診療に協力する義務
医師が、適切に診察・治療を行おうと考えていても、患者が医師に協力しなければ、十分な診療効果は期待できません。このため、患者は、診療契約に基づき、診療に協力する義務を負うことになります。この義務は、(1)医師への説明義務、(2)医師の指導に従う義務などです。
(1)医師への説明義務
まず、医師への説明義務についてです。医療は、医師と患者の協力のもとで行われなければ、効果をあげることは出来ません。そのため、患者は、医師に対し、どこが、どのように、また、いつ頃から不良なのか、できる限り正確に伝える義務を負います。体調不良の場合など、症状を十分に伝えることができない場合もありますが、説明が面倒だからといったことで、医師への説明を省略することは、患者の義務を果たしていないことになります。
(2)医師の指導に従う義務
また、患者は、医師の指導に従う義務も負います。これも、医療が医師と患者との協力のもとで行われることからして、患者に課せられる当然の義務だと考えられます。この義務は、医師に療養方法等の指導義務を課す医師法23条からも、間接的に、派生します。
例えば、アルコール性肝障害で治療を受けている患者が、飲酒を控える医師の指導にもかかわらず、こっそりと飲酒を続けていればどうでしょうか。また、糖尿病で治療を受けている患者が、医師の療養指導に反して、暴飲暴食を続ければどうでしょうか。あるいは、医師が定期的な受診の指示をしているにもかかわらず、指示に従った受診をせずに、体調がいっそう不良になった場合だけ受診していればどうでしょうか。このような場合には、医師がいくら適切な診療を実施しても、患者の疾患の改善は望めません。医療政策的な視点からではありますが、医師の指示にも従わず受診を続ける患者は、貴重な医療資源を浪費していることを認識すべきです。
■診療費用の支払義務
診療を受けた患者は、診療契約に基づき、その費用を支払う債務を負います。
Q: 患者サイドと医療サイドが相談のうえ選択した治療(例えば、手術か保存的治療か、抗がん剤か放射線治療か、等)が、望まない悪い結果を生じさせてしまった場合には、やはり100パーセント医療者の判断ミスあるいは説明不足と判断されるのでしょうか。
(更新日:2004-11-12)
A: 発生した有害事象が不可抗力であり、それがあらかじめ発生する可能性があることを説明していれば、医師には損害賠償責任は発生しません。ただ、その説明がなければ、発生した有害事象が不可抗力によるものであっても、医師は損害賠償責任を負うことになります。
Q: 患者に同意能力がない場合、医療従事者は、医療行為を行うにあたり、代諾者からインフォームド・コンセントを得なければならないとのことです。この代諾者とは実際には誰ですか。
(更新日:2006-1-16)
A:(1)代諾者(患者が小児の場合)
患者が小児の場合、通常は、親が代諾者となります。その根拠として、親は子に対する親権を有していることや、親は子どもの最善の利益を図ることができると考えられることがあげられます。
親が精神障害者、知的障害者、薬物乱用者等のために十分な判断能力がない場合、また、親が子どもの養育をしない場合等においては、医療従事者は、代諾者を、他の家族から選定する必要があります。これらの者は、親及びその他の者と比較して、通常、患者の最善の利益にかなう決定ができると考えられるからです。
(2)代諾者(患者が大人の場合)
患者が大人の場合、代諾者は「患者の価値観を最も反映できる者」となります。この意味で、厳密に言えば、代諾者は、家族やその他の親族に限る必要はありません(例えば、親友)。ただ、代諾者の対象範囲を拡張すれば医療現場に混乱を招く可能性が高くなります。このため、実際には、家族(特別の場合には、家族及びその他の親族)の中から「患者の価値観を最も反映できる者」を選定し、その者を代諾者とするのが適切でしょう。
このように限定してもなお、代諾者の判断が難しい場合もあるものと思われます。また、その判断をするための時間的余裕がない場合もあるでしょう。このような場合には、配偶者、子、親、兄弟姉妹、他の親族の順に、代諾者を決定することになるでしょう。
なお、もめごと防止という点からは、家族や親族、少なくとも家族の「合意」に基づいて医療の内容が決定されることが望ましく、家族間等に意見の相違が見られる場合には、患者が緊急事態にない限り、医療従事者がそれらのものに対し合意を促すことが重要と言えます。
患者が小児の場合、通常は、親が代諾者となります。その根拠として、親は子に対する親権を有していることや、親は子どもの最善の利益を図ることができると考えられることがあげられます。
親が精神障害者、知的障害者、薬物乱用者等のために十分な判断能力がない場合、また、親が子どもの養育をしない場合等においては、医療従事者は、代諾者を、他の家族から選定する必要があります。これらの者は、親及びその他の者と比較して、通常、患者の最善の利益にかなう決定ができると考えられるからです。
(2)代諾者(患者が大人の場合)
患者が大人の場合、代諾者は「患者の価値観を最も反映できる者」となります。この意味で、厳密に言えば、代諾者は、家族やその他の親族に限る必要はありません(例えば、親友)。ただ、代諾者の対象範囲を拡張すれば医療現場に混乱を招く可能性が高くなります。このため、実際には、家族(特別の場合には、家族及びその他の親族)の中から「患者の価値観を最も反映できる者」を選定し、その者を代諾者とするのが適切でしょう。
このように限定してもなお、代諾者の判断が難しい場合もあるものと思われます。また、その判断をするための時間的余裕がない場合もあるでしょう。このような場合には、配偶者、子、親、兄弟姉妹、他の親族の順に、代諾者を決定することになるでしょう。
なお、もめごと防止という点からは、家族や親族、少なくとも家族の「合意」に基づいて医療の内容が決定されることが望ましく、家族間等に意見の相違が見られる場合には、患者が緊急事態にない限り、医療従事者がそれらのものに対し合意を促すことが重要と言えます。