次に、スコアシートの活用状況と看護ケアプランの実施状況を調査した。具体的には看護師と患者の双方にアンケート調査を行った。調査の内容は、スコアシートに基づいた看護ケアプランができているかどうか。患者にはキチンと説明できているか、転倒・転落防止対策を活用しているか―などである。
調査の結果、『危険度II』に該当する患者については「看護プランを作成している」が80%を占めるなど、概ね活用されている状況が明らかになった。しかし、入院患者への『入院患者へのしおり』というパンフを使った『お知らせ』については50%にとどまった。この点について盛さんは、「患者の意識レベルが低下してしまったり、緊急入院の場合にお知らせできなくなったことがあるようだ」と話す。また、防止対策についても活用事例は50%だった。防止対策では、医薬品に絡む内容もある。睡眠導入剤のレンドルミンには、めまいやふらつきなどの副作用が発現することがあるが、こうした医薬品を処方した患者に対するケアの必要性を医薬品情報に掲載して注意を喚起するなどである。
盛さんによると、インシデントレポートの報告件数は2004年から2005年にかけて1000件以上増加しているが、同院の高齢者の占有率が高くなっているにもかかわらず、さほど増えていない。盛さんは医療安全対策委員会活動で、
- (1) アセスメント実施の意義を教育し、アセスメントシートの活用を推進したことで、アセスメントの実施率が向上した
- (2) 標準化した転倒防止チェックリストを作成したことで、個々の看護師の判断で行う転倒防止対策が減少した
- (3) アセスメント、患者・家族への説明、転倒防止対策の実施、などの実施率が向上した結果、転倒指数が減少した
と評価している。
このほか、看護師長会では看護師を対象に「転倒・転落防止」をテーマにした報告会で転倒のシーンなどを演じて注意を喚起する活動を行っている。昨年は3回実施した。今後の課題について盛さんは、「アセスメントスコアシートのインシデント事例の分布を分析してよりグレードアップしたものにしたい」と語る。
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