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「医者は現場でどう考えるか」

今回は、ジェローム・グループマンの「医者は現場でどう考えるか」をご紹介します。著者は30年間医師をしていますが、本書を書いて、患者や患者の家族またはその友人が、医療ミスを招く認識エラーの連鎖から守ってくれるかけがえのないパートナーであることに気付いたと言っています。

臨床医としてどのように考えるべきか、明確に教えてもらったことがない世代の著者が、自身や同僚などが経験した様々な事例をもとに、医師の頭の中を旅していく内容になっています。

実際にこの本を読んだ医師から「たくさんのカルテよりも、患者との良いコミュニケーション、患者の困っていることを詳しく聞くことによって的確な診断ができることがあるという話が沢山載っている。この本は非常に為になると思う」という感想を聞きました。よろしければ一度手にとってみてください。

(「はじめに」より抜粋)

医学は基本的に不確実な科学である。医師は誰でも診断と治療を間違えることがある。しかし、どうやってよりよく思考できるかを理解すれば、間違いの頻度と重度を軽減することは可能だ。本書はそれを目標にして書かれたものである。主に一般の読者を想定して書いたが、医師ならびに他の医療従事者にも役立つと思う。

医者は現場でどう考えるか

「医者は現場でどう考えるか」

原著名:
HOW DOCTORS THINK
著者:
ジェローム・グループマン【著】<Jerome Groopman> 美沢 惠子【訳】
単行本:
311ページ
出版社:
石風社 (2011/10)
ISBN:
978-4883442003
定価:
本体2,800円+税

目次

はじめに
虚心に患者と向きあう
第1章
瞬時の判断における思考メカニズム—臨床現場での医学的判断
第2章
医師の感情と診断ミス—心の教訓
第3章
救急治療室での「意識的平静」—皿回しの芸
第4章
プライマリーケア医の役割—門番
第5章
家族の愛が専門家を覆す—新米ママ奮闘記
第6章
前例のない症例に向きあう—専門家の不確実性
第7章
外科医A、B、C、Dそれぞれの"診断"—外科手術と達成感
第8章
大量データによるミスとエラー—観察者の眼
第9章
医療市場の怪物—マーケティングとお金と医学的決断
第10章
病でなく人を治療する—魂に奉仕する
おわりに
患者の物語を聞きとる
カテゴリ: 2012年3月13日
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