医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2026年3月10日
選択のポイント【No.546、547】

今回は、検査結果の読影に関し、病院側の責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.546の紹介にあたっては、一審判決(岐阜地方裁判所平成27年4月15日判決 ウェストロー・ジャパン)も参考にしました。 No.546の事案では、控訴審裁判所は、被控訴人(病院を開設する法人)は、患者がその死亡の時...

2026年3月10日
No.547「粟粒結核を原因とする急性呼吸窮迫症候群により患者が死亡。リウマチ科の医師に結核の再燃の可能性を念頭において注意深くX線画像を読影する注意義務違反を認めた地裁判決」

東京地方裁判所令和6年3月28日判決 判例時報2631号21頁 (争点) 医師に11月11日に実施した胸部X線検査の撮影画像の読影に係る注意義務違反があったか否か *以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) A(死亡当時75歳の女性)は、平成26年(以下、同年の記載を原則として省略する。) 6...

2026年3月10日
No.546「CT検査を受けたが読影が不十分であったため、胆管細胞癌の発見が遅れ患者が死亡。早期に発見されていれば実際の死亡時点において、なお生存していた相当程度の可能性があったとして慰謝料を認めた高裁判決」

名古屋高等裁判所平成29年2月2日判決 ウェストロー・ジャパン (争点) 治療が実際に開始される1か月半前の時点で適切な治療が開始されていれば、実際に死亡した時点においてなお生存していた相当程度の可能性があったか否か *以下、控訴人(原告)を◇1~◇4、被控訴人(被告)を△と表記する。 (事案) A...

2026年2月10日
選択のポイント【No.544、545】

今回は、救急搬送後に退院(帰宅)した患者の容態が悪化したことについて、病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.544の事案では、控訴審裁判所は、損害額の算定にあたり、救急搬送時には患者の頭蓋内には相当程度に進行し、肥大化したのう胞が存在していたこと、病院としては、小児科救急医療の受入...

2026年2月10日
No.545「救急受診した患者が帰宅後、慢性硬膜下血腫により高度意識障害等の後遺障害が残った事案で、CT検査の実施や脳神経外科医への相談をしなかった医師の注意義務違反を認めた地裁判決」

大津地方裁判所令和7年1月17日判決 医療判例解説(2025年10月号)118号47頁 (争点) 医師らに遅くとも二度目の救急受診の診察終了時までにCT検査をして脳神外科医師に相談すべき意義務があったか否か *以下、原告を◇1および◇2、被告を△と表記する。 (事案) C(平成31年4月30日当...

2026年2月10日
No.544「中学生が救急搬送され、診察後退院指示により帰宅後に脳ヘルニアで死亡。医師に頭蓋内圧亢進を疑ってCT検査等を実施すべき義務違反等を認めた控訴審判決」

東京高等裁判所平成30年3月28日判決 判例時報2400号5頁 (争点) 救急搬送時の検査義務違反があったか否か 退院時の検査義務違反があったか否か *以下、原告を◇、被告を△1および△2と表記する。 (事案) 町(その後M市に編入合併)である△1の開設する病院(以下「△病院」という。)は、救急総合...

2026年1月13日
選択のポイント【No.542、543】

今回は、患者・入所者の転落につき、病院・施設側の工作物責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 民法717条は、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって、他人に損害が生じた場合にはその工作物の占有者が被害者に対して損害賠償の責任を負うことを定めています。そして、工作物が通常有すべき安全性...

2026年1月13日
No.543「高次脳機能障害のある患者が入院中に病室の窓から転落して死亡。病室の窓及びベランダに設置又は保存の瑕疵があったとして病院の工作物責任を認めた事案」

東京地方裁判所令和6年9月6日 判例時報2630号98頁 (争点) 病院側に、窓及びベランダの設置又は保存の瑕疵があったか否か *以下、原告を◇1~◇4、被告を△と表記する。 (事案) A(昭和25年生まれ、死亡当時70歳の女性)は、令和3年3月14日、左脳皮質下出血を発症し、救急要請によりC病院に...

2026年1月13日
No.542「介護老人保健施設の短期入所者が2階にある食堂の窓から落下し死亡。遺族の請求を棄却した一審判決を変更して、施設開設者の工作物責任を認めて損害賠償を命じた高裁判決」

東京高等裁判所平成28年3月23日判決 ウェストロージャパン (争点)  認知症専門棟2階にある食堂の窓につき工作物責任があったか否か *以下、原告を◇1および◇2、被告を△と表記する。 (事案) A(昭和2年生まれの男性)は、平成20年頃から認知症様の症状が出現するようになり、平成22年に医師によ...

2025年12月10日
選択のポイント【No.540、541】

今回は喘息患者に対する治療における医師の過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.540の紹介にあたっては、判例タイムズの解説も参考にしました。 No.540の事案では、医師が、患者の死因は患者の妻が消化不良の状態にある入院患者に多量のすしを食べさせたため、患者に急性胃拡張及びこれによる胸部...

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