医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2026年7月10日
選択のポイント【No.554、555】

今回は、歯科医師が業務上過失致死罪で有罪となった刑事事件の判決を2件ご紹介します。 No.554の判決紹介にあたっては、一審判決(東京地裁平成25年3月4日判決。判例時報2190号133頁)も参考にしました。一審判決の量刑の理由として、被告人(歯科医師)は、かなりの症例数を誇るインプラント治療の専門...

2026年7月10日
No.555「小児歯科医院で局所麻酔剤を使用した治療後、患児が低酸素性脳症により死亡。歯科医院の院長に業務上過失致死罪が認められた高裁判決」

福岡高等裁判所令和6年2月9日判決 判例時報2600号88頁 (争点) 死因である低酸素性脳症の原因が急性リドカイン中毒であるか否か *以下、被告人を△と表記する。 (事案) △歯科医師は、小児歯科(以下「△歯科医院」という。)の院長として、△歯科医院の歯科診療業務及び同業務を統括する業務に従事して...

2026年7月10日
No.554「インプラント手術の際、歯科医師が患者のオトガイ下動脈をドリルで挫滅させ、血腫により気道閉塞を生じさせて患者が死亡。業務上過失致死罪を認定した地裁判決を維持した高裁判決」

東京高等裁判所平成26年12月26日判決 ウェストロージャパン (争点) 歯科医師の注意義務と患者死亡の間の因果関係 *以下、被告人を△と表記する。 (事案) △歯科医師は、昭和46年に歯科医師として登録し、昭和48年に歯科医院を開業した頃からインプラント治療に携わるようになり、平成4年に歯科インプ...

2026年6月10日
選択のポイント【No.552、553】

今回は帝王切開の遅れや不実施に関して病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.552の事案では、病院側は、産科ガイドラインが、胎児心拍数波形のレベル分類を、10分区画ごとにCTGを判読し、判定するものとしていることを指摘して、同日午後7時54分に遷延一過性徐脈があったからといって、同...

2026年6月10日
No.553「重症新生児仮死の状態で出生した児について、医師らに緊急帝王切開による急速遂娩を怠った過失を認めた地裁判決」

静岡地方裁判所浜松支部令和6年12月9日判決 医療判例解説(2026年2月号)120号53頁 (争点) 緊急帝王切開の不実施に関するに注意義務違反があったか否か *以下、原告を◇1~◇3、被告を△と表記する。 (事案) ◇3(出産時41歳の女性・初産)は、平成30年10月頃、Wクリニックを受診し、妊...

2026年6月10日
No.552「出生した児に低酸素性虚血性脳症が残ったのは、医師及び助産師に急速遂娩を実行せず、帝王切開術が遅れた過失があるとして、患者の請求を棄却した一審判決を変更して社会医療法人の不法行為責任を認めた高裁判決」

広島高等裁判所岡山支部平成30年7月26日判決 ウェストロージャパン (争点) 急速遂娩を実行せず、帝王切開術が遅れた過失がある否か *以下、原告(控訴人)を◇1ないし◇3、被告(被控訴人)を△1および△2と表記する。 (事案) 社会医療法人である△1の運営する病院(以下「△病院」という。)は、病床...

2026年5月11日
選択のポイント【No.550、551】

今回は医療保護入院に関連して病院側の責任が認められた裁判例をご紹介します。 No.550の事案では、控訴審裁判所は、精神病院に入院中の者に対する身体的拘束については、精神保健福祉法及び告示第130号(精神保健福祉法37条1項に基づき厚生労働大臣が定める処遇の基準・昭和63年厚生省告示第130号)で必...

2026年5月11日
No.551「医療保護入院を決定したこと等について、医師の過失を認めて医療法人及び医師らに慰謝料の支払いを命じた地裁判決」

宇都宮地方裁判所令和7年5月29日判決 医療判例解説(2025年12月号)119号41頁 (争点) 医療保護入院をさせたこと等について、医師の故意・過失の有無 *以下、原告を◇、被告を△1ないし△4とする (事案) ◇(平成30年12月当時73歳の男性)は、昭和47年3月、Hと結婚し、長男であるI、...

2026年5月11日
No.550「医療保護入院中の身体的拘束により患者が急性肺血栓塞栓症を発症して死亡。違法な身体的拘束を行ったとして病院側の責任を認めた高裁判決」

名古屋高等裁判所金沢支部令和2年12月16日判決 医療判例解説(2021年6月号)92号56頁 (争点) 身体的拘束が違法であったか否か *以下、原告を◇1および◇2、被告を△と表記する。 (事案) A(死亡当時40歳の男性・親の大工仕事を無給で手伝い)は、平成11年8月ごろから、多弁、不安の訴え、...

2026年4月10日
選択のポイント【No.548、549】

今回は、手術後の対応について病院側の過失が認められた事例を2件ご紹介いたします。 No.548の事案では、病院側は、患者が若く、心循環系に重篤な合併症がなかったこと、手術中の血圧ガス分析の結果から、循環系異常が認められないこと、蘇生措置中の午後2時24分の血液ガスデータの結果が呼吸停止から心停止を直...

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