医療判決紹介:最新記事

2020年の記事一覧

2020年3月10日
選択の視点【No.402、403】

今回は気管切開カニューレに関連して病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.402の事案では、裁判所は、患者が心静止に陥った原因については、カニューレにティッシュを詰められたことによる窒息以外の機序があり得ないとまではいえないとしながら、カニューレに詰められていたティッシュが事故後...

2020年3月10日
No.403 「国立大学病院で患者が気管切開カニューレから痰の吸引を受けた際に容態が急変し、低酸素脳症による遷延性意識障害の後遺症を負う。吸引時のアセスメント実施義務違反の過失を認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成31年1月10日判決 判例時報2427号32頁 (争点) 看護師らが気管吸引時にアセスメントを実施し、監視することを怠った過失の有無 看護師らの過失と患者に生じた結果(遷延性意識障害と低酸素脳症)との因果関係 (事案) X1(本件事故当時、20歳で薬学部2年生の男性)は平成23年8...

2020年3月10日
No.402 「入院中の患者のカニューレにティッシュが詰められ、患者が心肺停止に陥りその後死亡。患者遺族の請求を棄却した地裁判決を取り消して、病院の損害賠償責任を認めた高裁判決」

大阪高等裁判所平成30年9月28日判決 判例時報2419号5頁 (争点) 病院の医療従事者が患者に装着されていた気管切開カニューレにティッシュペーパーを詰めた後、ティッシュを除去することを失念して放置した過失があるか 患者の心静止の原因 (事案) 患者A(昭和19年生まれの男性)が、平成23年6月1...

2020年2月10日
選択の視点【No.400、401】

今回は、手術に際して患者の神経が損傷された事案を2件ご紹介します。 No.400の紹介にあたっては、一審判決(静岡地裁平成28年3月24日・ウエストロー・ジャパン)も参考にしました。 No.401の紹介にあたっても、一審判決(札幌地裁平成30年2月7日・ウエストロー・ジャパン)も参考にしました。 N...

2020年2月10日
No.401 「大学病院で右第2CM関節固定術及び骨移植の手術を受けた患者につき、医師の過失により橈骨神経が損傷したと認定した高裁判決」

札幌高等裁判所平成30年7月20日判決 ウエストロー・ジャパン (争点) 医師が手術の際に、神経を損傷したと認められるか否か (事案) X(手術当時40歳の女性)は、右手背に固い隆起ができ、平成23年夏頃から右手母指周囲から右手背にかけて痛みが生じるようになった。 平成24年1月25日、Xは、Y公立...

2020年2月10日
No.400 「点滴ルートの確保のために左腕に末梢静脈留置針の穿刺を受けた患者が複合性局所疼痛症候群(CRPS)を発症。看護師が、深く穿刺しないようにする注意義務を怠った結果、橈骨神経浅枝を損傷したと認定した高裁判決」

東京高等裁判所平成29年3月23日判決 第一法規法情報総合データーベース (争点) 看護師に、穿刺行為の際に深く穿刺しないようにする注意義務を怠った過失があるか (事案) 平成22年12月19日、X(昭和51年生まれの女性)は翌20日に甲状腺右葉半切除手術(以下「本件手術」という。)を受けるため、日...

2020年1月10日
選択の視点【No.398、399】

今回は、手術の手技上の過失が認められた事案を2件ご紹介します。 No.398の事案では、病院側は、患者の死因は心筋梗塞と主張しました。しかし、その主張の根拠である、「患者の容態急変後の心電図によればST波の上昇があった」という点について、裁判所は、(1)ST波の上昇を認識した麻酔担当外科医師に遅れる...

2020年1月10日
No.399 「脳腫瘍切除術中に内頸動脈から出血が生じ、患者に脳梗塞並びに左片麻痺と失語の症状が生じた。大学病院の執刀医に、内頸動脈付近まで手術を行った過失を認めた事案」

神戸地方裁判所平成19年8月31日判決 判例時報2015号104頁 (争点) 内頸動脈付近まで手術を行った過失の有無 (事案) X(昭和15年生まれの専業主婦)は、平成10年4月ころから、頭痛やめまいが生じており、同年5月初旬には歩行障害が生じるようになっていた。 そこで、Xは、同年5月27日、Yが...

2020年1月10日
No.398 「右腎臓摘出手術を受けた患者が術後、大量出血により死亡したのは、執刀医師による腎動脈の結紮が不十分であったことによるものとして病院側に損害賠償を命じた判決」

東京地方裁判所平成14年9月30日判決 判例タイムズ1135号242頁 (争点) Aの死因とその原因について Yの責任の有無 (事案) 平成9年2月25日、A(死亡当時76歳の男性・保険会社代理店店主及び太極拳の指導員)は、J医師の紹介により、Yの開設する病院(以下「Y病院」という)泌尿器科外来を受...

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