医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2014年7月10日
No.267「下肢の骨接合術などの手術を受けた患者が、合併症として下肢深部静脈血栓症を発症。必要な検査を行い、または専門医に紹介する義務を怠った整形外科医師の『過失と後遺症の因果関係』及び『過失がなければ後遺症が残らなかった相当程度の可能性』が認められず、医療行為が著しく不適切な事案とはいえない場合には、『適切な医療行為を受ける期待権の侵害』のみを理由とする不法行為責任の有無を検討する余地はないとした最高裁判決」

最高裁判所第二法廷 平成23年2月25日 判例タイムズ1344号110頁 (争点) 本件事案において適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とした不法行為責任の有無を検討する余地があるか   (事案) 1.診療経過 (1)昭和63年10月29日、患者Xは左脛骨高原骨折の...

2014年7月10日
No.266「脳腫瘍摘出手術後に患者が敗血症及び髄膜炎を併発し死亡。公立病院側に敗血症防止措置を怠った過失はあるが当該過失と死亡との間の相当因果関係は否定。しかし医療水準にかなった医療が行われていたならば患者が生存していた相当程度の可能性を認定し、そのほか患者側の期待権も侵害されたとして、患者の遺族らの損害賠償請求を一部認容した地裁判決」

東京地方裁判所 平成15年1月27日判決 判例タイムズ1166号190頁 (争点) 本件手術後のY病院の経過観察に過失があるか Y病院の過失とAの死亡との間に相当因果関係があるか 仮に、Y病院の過失とAの死亡との間に相当因果関係が認められなかったとして、Y病院は、Aに与...

2014年6月10日
選択の視点【No.264、265】

今回は手術の適応・術式選択に関する医師の過失及び手術に関する医師の説明義務違反が認められた地裁判決を2件ご紹介します。どちらも、手術開始後に状況を踏まえて医師が確定した方針について過失ありとされ、その方針についての説明義務も尽くされていないと判断されています。 No.264の事案では、患者は、...

2014年6月10日
No.265「国立大学病院でプルスルー法による人工血管置換手術後、患者に対麻痺が発生。患者の意思を確認することなくプルスルー法を用いたことは医師の裁量の範囲を超えるとして、医師の過失を認めた地裁判決」

鹿児島地方裁判所 平成25年6月18日判決 判例時報2207号65頁 (争点) 人工血管置換手術適応の有無 プルスルー法を用いる人工血管置換手術適応の有無   (事案) 患者X(本件手術当時満71歳の男性)は、平成14年9月、K市立病院(以下K病院)において、急...

2014年6月10日
No.264「左眼窩内腫瘍摘出手術で国立病院医師が患者の視神経を切断し、患者の左眼が失明。視神経切断につき手術適応を否定して医師の過失を認め、医師の説明義務違反も認めた地裁判決」

大阪地方裁判所 平成13年9月28日判決 判例タイムズ1095号197頁 (争点) 本件手術の適応の存否(本件手術を開始したことについての過失の有無) 視神経切断の適応の存否(視神経を切断したことについての過失の有無) 説明義務違反   (事案) 患者A...

2014年5月10日
選択の視点【No.262、263】

今回は検査に関連して医師の過失が認められた判決を2件ご紹介します。 No.262の事案では、最初に患者を診察し、薬剤の7日間連続投与を決定した医師については、医師としての注意義務違反はあるものの、患者の死亡との相当因果関係がないとして、損害賠償責任を負わないとされました。 他方で、この医師の...

2014年5月10日
No.263「神経性食思不振症で通院していた患者が死亡。医師に血清カリウム値の検査義務違反があったとして、病院側に、患者が『生存していた相当程度の可能性』を侵害されたことにより被った損害の賠償を命じた高裁判決」

東京高等裁判所 平成15年8月26日判決 判例時報1842号43頁 (争点) 患者Aの死因 T医師の注意義務違反の有無 T医師の注意義務違反と患者Aの死亡との因果関係 相当程度の生存の可能性の侵害の有無   (事案) 患者A(昭和54年生)は、平...

2014年5月10日
No.262「下腹部痛を訴えて通院していた患者が点滴直後にアナフィラキーショックに陥り死亡。従前患者を診断した別の医師の診断を信頼し、新たな検査等を実施しなかった医師の過失を認めた地裁判決」

大阪地方裁判所 平成13年1月30日判決 判例タイムズ1070号279頁 (争点) 患者Aの傷病名 当初の診察を担当したY2医師の責任 最後の診察を担当したY3医師の責任   (事案) 患者Aは、平成3年の6月20日に、Y1医療法人が設置・経営するY病院...

2014年4月10日
選択の視点【No.260、261】

今回は、癌患者に対する説明義務が争点となった事案を2件ご紹介します。1件(No.260)は説明義務違反が否定され、1件(No.261)は説明義務違反が認められました。 No.260の事案で、裁判所は、末期乳癌患者に対する血管造影検査実施前の時点で、患者遺族らは、患者の病状につき突然の大出血には...

2014年4月10日
No.261「新免疫療法単独での治療効果について医師の説明義務違反を認めたが、説明義務違反と患者死亡との因果関係は否定し、慰謝料の支払いを病院側に命じた地裁判決」

東京地方裁判所 平成24年7月26日判決 判例タイムズ1395号246頁 (争点) 新免疫療法についてのY医師の説明義務違反の有無 Y医師の説明義務違反と死亡との因果関係   (事案) 1.患者A(昭和21年生まれの男性)は、平成15年3月12日、S病院において...

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