医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2014年10月10日
No.273「胃切除手術の麻酔を行う際、麻酔担当医が、麻酔チューブを気管内ではなく食道内に誤挿管し、患者は低酸素血症による心不全で死亡。病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

横浜地方裁判所小田原支部 平成14年4月9日判決 判例タイムズ1175号258頁 (争点) Aの死亡について、Y2医師およびO医師に過失があるか   (事案) 医療法人であるY1は、は、診療科目として内科、小児科、外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、産婦人科、皮膚泌尿器科、...

2014年10月10日
No.272「1歳11ヶ月男児患者への先天性ヘルニアの根治手術で麻酔薬の過剰投与により心停止が起こり死亡。麻酔医に不法行為責任を、開業医(執刀医)に債務不履行責任を認めた高裁判決」

大阪高等裁判所 平成10年9月10日判決 判例時報 1689号84頁 (争点) 患者の手術について麻酔担当医に過失はあったか 患者及び患者両親の損害   (事案) 患者A(男児、手術時1歳11ヶ月)は、昭和60年7月15日、Y1医師(B外科の名称で医院を経営する...

2014年9月10日
選択の視点【No.270、271】

今回は、注射針刺入行為の過失が認定された裁判例を2件ご紹介します。 No.270の事案では、病院側は、 「仮に問題となった注射行為によって患者の橈骨神経の分枝の損傷が生じ、末梢部の知覚異常がみられることはあっても、一過性のものであり、固定的に末梢部以外の手指の運動機能障害が生じることは考えら...

2014年9月10日
No.271「社内定期健康診断の採血時に、保健師が、従業員の右腕正中神経を損傷し、カウザルギーないしRSDを発症。保健師の過失を認め、保健師と会社に対する損害賠償請求及び会社に対する障害付加補償金請求を認めたが、損害発生についての従業員自身の寄与を認めて、一審判決よりも損害賠償額を減額した高裁判決」

高松高等裁判所 平成15年3月14日判決 判例タイムズ1150号238頁 (争点) Xが本件採血により障害を負ったか否か Xの損害額   (事案) X(昭和29年11月17日生まれ)は、昭和48年4月にA公社(昭和60年に民営化しA株式会社となる)に入社し、平成...

2014年9月10日
No.270「点滴時の注射とRSD(反射性交感神経性異栄養症)罹患との因果関係を認めた上、注射を行った看護師に注意義務違反を認め、病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

大阪地裁 平成10年12月2日判決 判例タイムズ 1028号217頁 (争点) 本件注射行為とXがRSDに罹患したこととの間に因果関係は認められるか 本件注射行為について、担当看護師に注意義務に違反した過失があるといえるか Xの損害額   (事案) 患者...

2014年8月10日
選択の視点【No.268、269】

今回は、間質性肺炎に関連して、病院側の損害賠償責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.268は、ヘビースモーカーだった特発性間質性肺炎の患者について、肺癌の発見が遅れた事案で、No.269は薬剤性間質性肺炎の患者について、薬剤(ミノマイシン)投与に関する医師の過失が認定された事案です。...

2014年8月10日
No.269「患者がミノマイシン投与により薬剤性間質性肺炎に罹患。担当医の投与に関する過失を認めた上で、病院側に慰謝料の支払いを命じた地裁判決」

東京地方裁判所 平成18年10月4日判決 判例タイムズ1233号 278頁 (争点) 医師が患者に対してミノマイシンの投与を続けたことに過失は認められるか ミノマイシンの投与を続けた過失により患者にどのような損害が生じたか   (事案) 患者X(昭和18年生まれ...

2014年8月10日
No.268「特発性間質性肺炎(IIP)に罹患した患者がその急性増悪により死亡。患者の胸部CT画像に肺癌の存在を疑うべき陰影があったが、医師が肺癌の可能性を確認するための精密検査をせず、肺癌の発見が遅れた。患者が約半年長く生存する権利が侵害されたとして病院側の損害賠償責任を認めた地裁判決」

松山地方裁判所西条支部 平成12年2月24日判決 判例時報1739号124頁 (争点) 肺癌の可能性を考慮するための精密検査を実施しなかった注意義務違反の有無 注意義務違反とAの死亡との間の因果関係の有無   (事案) 平成6年3月29日、A(死亡当時75歳の男...

2014年7月10日
選択の視点【No.266、267】

今回は、いわゆる期待権侵害に関する判決を2件ご紹介します。 紹介にあたっては、判決掲載誌(判例タイムズ)の解説も参考にしました。 平成12年9月22日の最高裁判決は、「疾病のため死亡した患者の診療に当たった医師の医療行為が、その過失により、当時の医療水準にかなったものでなかった場合において、...

2014年7月10日
No.267「下肢の骨接合術などの手術を受けた患者が、合併症として下肢深部静脈血栓症を発症。必要な検査を行い、または専門医に紹介する義務を怠った整形外科医師の『過失と後遺症の因果関係』及び『過失がなければ後遺症が残らなかった相当程度の可能性』が認められず、医療行為が著しく不適切な事案とはいえない場合には、『適切な医療行為を受ける期待権の侵害』のみを理由とする不法行為責任の有無を検討する余地はないとした最高裁判決」

最高裁判所第二法廷 平成23年2月25日 判例タイムズ1344号110頁 (争点) 本件事案において適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とした不法行為責任の有無を検討する余地があるか   (事案) 1.診療経過 (1)昭和63年10月29日、患者Xは左脛骨高原骨折の...

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