医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2021年2月10日
No.424 「急性喉頭蓋炎により病態が急変し、患者が窒息死。当直医に気管穿刺または気管切開の措置を採らなかった過失及び食道へ誤挿管して挿管後の確認を怠った過失を認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成14年3月18日判決 判例タイムズ1139号207頁 (争点) 患者の急変の原因及び初診時の予見可能性 急変後の措置に関する過失の有無 医師らの過失と患者の死亡との間の相当因果関係の有無 (事案) A(死亡当時59歳の男性)は、平成9年8月6日、喉の痛みを訴えSクリニックの医師の診...

2021年1月 8日
選択の視点【No.422、423】

今回は、乳がんの診断・治療に関して病院側の過失が認められた事例を2件ご紹介します。 No.422の事案では、裁判所は、担当医師が骨転移のみを念頭におき、他の再発型式を全く考えず、骨シンチの結果により骨転移が否定されると過育症を疑い、胸部の腫瘤が明らかになった時点においても生検を実施せず、約2ヶ月にわ...

2021年1月 8日
No.423 「乳がんが進行し、両乳房を全部切除するに至ったのは、医師が精密検査をすべき義務を怠ったからだとして、病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

千葉地方裁判所平成22年10月29日判決 ウェストロー・ジャパン (争点) 本件診察において精密検査をすべき義務を怠った医師の過失の有無 (事案) X(本件第1回診察時53歳の女性)は、平成14年末ころから右乳房のしこりが気になったため、平成15年1月14日Y医療法人の開設する病院(以下、「Y病院」...

2021年1月 8日
No.422 「乳がんが再発した患者が死亡。再発の発見が遅れた医師の過失があるとして、病院側に延命利益の喪失による慰謝料の支払いを命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成8年10月21日判決 判例タイムズ939号210頁 (争点) 病院医師らに、乳がんの再発を発見するのが遅れた過失があったか否か 因果関係の有無 (事案) A(昭和19年生まれの女性、死亡時48歳)は、昭和60年1月17日、勤務先の定期検診で右乳房にしこりがある旨指摘され、同年2月2...

2020年12月10日
選択の視点【No.420、421】

今回はリウマチの治療法に関し、医師の過失が認められた裁X判例を2件(1件は治療薬の副作用、もう1件は、喘息治療に転用された冷凍療法がそれぞれ問題となりました)ご紹介します。 No.420の事案では、医師本人は、裁判所での尋問で、注射をする度ごとに、副作用のXについて問診をしたと供述しましたが、裁判所...

2020年12月10日
No.421 「気管支喘息の患者が冷凍療法実施の際に喘息発作により死亡。医師に健康状態精査・発作に対処する体制整備・症状悪化防止措置・救命措置それぞれを怠った過失が認められた事案」

東京地方裁判所平成3年9月27日判決 判例タイムズ774号247頁 (争点) 冷凍療法を実施する医師の責任の有無 (事案) A(死亡当時60歳のフランス人・パリ在住のレストラン経営者)は、昭和54年ころから気管支喘息で苦しみ、フランスで治療を受けていたところ、通称「**リウマチ**病院」(以下、「Y...

2020年12月10日
No.420 「慢性リウマチの患者に対し、シオゾールを投与し副作用で患者が全身脱毛。医師に投与開始時の説明指示義務・各注射時の問診診察義務・投与中の尿、血液検査義務の違反を認めた地裁判決」

横浜地方裁判所昭和63年4月22日判決 判例時報1303号 108頁 (争点) シオゾール投与における医師の注意義務違反の有無 (事案) 昭和55年2月頃、X(当時61歳の主婦)は、身体中の筋肉に軽い痛みを覚え、同年3月14日、Y医師の経営する整形外科(以下、「Y医院」という。)でY医師の診察を受け...

2020年11月 9日
選択の視点【No.418、419】

今回は、美容整形に関して医師の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.418の事案では、医師による治療を怠ったことも債務不履行であると認定されました。しかし損害については、裁判所は、そもそも、脱毛治療として被告病院が行っていたところのものは、患者に施された2つの方法の他にはより簡略なものが1...

2020年11月 9日
No.419 「脂肪吸引手術を受けた患者の臀部に凹凸・非対称が生じたのは、医師が2回目の手術で必要以上の多量の脂肪を吸引したからだとして、病院側の過失が認められた事案」

東京地方裁判所平成8年2月7日判決 判例時報1581号 77頁 (争点) 脂肪吸引手術をした医師の責任の有無 (事案) X(昭和36年生まれの沖縄在住の独身女性・看護師として稼働)は、昭和63年当時、雑誌に掲載されたY医師の経営する医院(以下、「Y医院」という。)の脂肪吸引手術についての記事を読んで...

2020年11月 9日
No.418 「多毛症の人に対し、永久脱毛の困難等についての説明がないまま看護師による脱毛治療を3年余り継続。医師の説明義務違反につき損害賠償(治療費と慰謝料)を命じた地裁判決」

名古屋地方裁判所昭和56年11月18日判決 判例タイムズ462号 149頁 (争点) 医師に説明義務違反があったか否か 損害額 (事案) X(初診時28歳の独身女性)は、23、4歳ころより、自分の脚部が他の女性に較べ毛深いことに気付き、それ以来これを気にしてきたことから、昭和49年夏ころ、専門医のも...

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