医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2018年8月10日
No.364 「大学病院で、ファロー四徴症に対する姑息手術を受けた0歳児が動脈血酸素飽和度の低下により死亡。動脈管閉鎖への対応措置を怠った医師の過失を認定した地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月5日判例タイムズ 1131号 217頁 (争点) 患者が死亡するに至った機序 患者の死亡は病院医師の過失によるものであるか否か (事案) 平成6年7月21日、A(女児・出生体重2195グラム)は、Y学校法人が開設・経営するY大学医学部附属Y病院(以下「Y病院」という。)で...

2018年7月10日
選択の視点【No.362、363】

今回は、手術の適応判断に関する医師の過失が認められた高裁判決を2件ご紹介いたします。 No.362の紹介にあたっては、一審判決(松山地裁平成15年9月16日判決・判例タイムズ1200号258頁)も参考にしました。 No.362の事案では、控訴人病院側は、患者に施した一連の心蘇生術の手技は、ACLS(...

2018年7月10日
No.363 「カテーテルアブレーションを受けた患者が術後脳梗塞を発症し重大な後遺症が残ったことについて、医師の過失を否定した地裁判決を破棄し、医師に血栓を疑わせる所見がないことを確認する注意義務を尽くさなかった過失を認めた高裁判決」

名古屋高等裁判所平成29年7月7日判決 判例時報2349号 34頁 (争点) カテーテルアブレーションを実施する医師の注意義務違反の有無 (事案) 平成22年7月10日、X(本件施術当時63歳の男性)は、Eクリニックにおいて持続性心房細動、心不全等の診断を受けた。(以下、平成22年の事柄については、...

2018年7月10日
No.362 「県立病院での経皮的冠動脈形成手術(PTCA)終了直後に、患者に急性冠閉塞が起こり、低酸素脳症に陥りその後死亡。冠動脈バイパス手術(CABG)を第一選択とすべき義務や、急変後速やかに経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着すべき義務を怠った過失を認めた高裁判決」

高松高等裁判所平成16年7月20日判決 判例タイムズ1200号 254頁 (争点) 術式選択における過失の有無等 (事案) 平成8年7月5日、A(57歳男性)はY県が開設する病院(以下、「Y病院」という。)の内科医であるBの外来診察を受け、不安定狭心症と診断され、同年10月2日には、心臓カテーテル検...

2018年6月 7日
選択の視点【No.360、361】

今回は、市立病院における医師の注射や手術において、注射位置が適正でなかったことや、手術部位を誤認したことにつき、病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介します。 No.360の事案では、患者側は、後遺障害逸失利益の請求もしましたが、裁判所は、患者の左肩に残存した後遺障害(患者の疼痛は、相当程度に軽減...

2018年6月 7日
No.361 「市立病院で、手術部位の誤認により、固定する必要のない椎間を固定。患者主張の障害は否定したが、慰謝料及び弁護士費用の損害額を一審よりも増額した高裁判決」

大阪高等裁判所平成27年9月3日判決 ウェストロー・ジャパン (争点) 固定する必要のない椎間を固定したことによって患者に生じた障害 (事案) X(症状固定時44歳の女性)は、平成18年9月4日、Y市が設置・運営する病院(以下、「Y病院」という。)において、第6・第7頸椎間(以下「C6/7」という。...

2018年6月 7日
No.360 「医師が子宮頸がん予防ワクチンを適正位置より高い位置に注射した過失により、患者に左肩関節炎が発症。市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

福岡地方裁判所小倉支部平成26年12月9日判決 医療判例解説第60号(2016年2月)58頁 (争点) 医師が肩峰三横指下の位置に行うべき子宮頸がん予防ワクチンの接種を、それより高い位置(肩峰一横指下の位置)に打ったか否か (事案) X(昭和38年生まれの女性)は、平成22年頃、子宮頸がん予防ワクチ...

2018年5月10日
選択の視点【No.358、359】

今回は、説明義務違反が認定された事案を2件ご紹介します。 No.358の事案では、心臓カテーテル検査と患者右足の血管閉塞、足趾切断との因果関係も争点となりました。 裁判所は、患者が検査前から両足尖部のしびれや痛みを訴えており、検査前には右足により強い間欠性跛行を訴えていたこと、転院先での手術の際に得...

2018年5月10日
No.359 「都立病院で看護師の誤投薬により入院患者が死亡。院長の遺族に対する説明義務違反を認めた高裁判決」

東京高等裁判所平成16年9月30日判決 判例時報1880号 72頁 (争点) 院長の説明義務違反の有無 (事案) 平成11年1月8日、A(女性)は、関節リウマチにより左中指疼痛及び腫脹が増強したため、東京都(一審の相被告)の開設するY病院整形外科を受診した。診察の結果、慢性関節リウマチ治療のために左...

2018年5月10日
No.358 「閉塞性動脈硬化症と診断されていた糖尿病患者が心臓カテーテル検査を受けた後、血管閉塞が生じ、右足趾全部切断に至る。医師には検査により血栓症になる危険性についての説明義務違反があるとした地裁判決」

大阪地方裁判所平成14年11月29日判決 判例時報1821号 41頁 (争点) 心臓カテーテル検査の適応の有無 心臓カテーテル検査についての説明義務違反の有無 (事案) X(事件当時67歳の男性・会社代表者)は、昭和41年(35歳)ころ、糖尿病と診断され、平成9年5月、糖尿病性腎症のため、A大学附属...

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