医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2015年11月10日
No.298「杉花粉アレルギー患者が減感作療法後にショック症状を呈し慢性腎炎に罹患。患者が約8ヶ月前に他院で同療法を受けてショックが出ていなかったとしても、改めて閾値検査を行うべき注意義務及び注射後少なくとも30分間は経過観察をすべき注意義務があるとして、医師の過失を認めた地裁判決」

静岡地方裁判所 平成2年6月29日判決 判例タイムズ736号225頁 (争点) 減感作療法施行時の過失 減感作療法施行後の過失   (事案) 患者X(主婦、受傷当時32歳)は、昭和54年の春先頃からアレルギー鼻炎に悩まされるようになった。昭和56年3月ころ、Xは...

2015年10月10日
選択の視点【No.296、297】

今回は3歳児の患者に対する病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介します。 No.296の事案では、患者に対してマウスツーマウスを行わなかった小児科医師が用手人工呼吸法には習熟していたがマウスツーマウスには不慣れであった点につき、裁判所は、いくつかの医療技法が併存する場合、そのいずれかの手法を...

2015年10月10日
No.297「悪性腫瘍で大学病院に入院中の3歳5か月の患者がベッドから転落し頭部を打ち、頭蓋内出血を引き起こし、4ヶ月後に死亡。看護師によるベッドの安全柵の確認が不十分であったとして、担当看護師と学校法人に損害賠償を命じた地裁判決」

宇都宮地方裁判所 平成6年9月28日判決 判例時報1536号93頁 (争点) 看護師Y1の過失 本件事故と患者Aの死亡との因果関係   (事案) 患者A(事故当時3歳5か月の男児)は、昭和63年4月5日、上腹部悪性腫瘍(神経芽細胞腫)で学校法人Y大学が開設するY...

2015年10月10日
No.296「気管支喘息の中程度の発作を起こし、心・呼吸停止に陥った3歳の患者に対して、市立病院の医師らが直ちにマウスツーマウスを実施しなかったことにつき、市の債務不履行責任を認めた高裁判決」

札幌高等裁判所 平成6年1月27日判決 判例時報1522号78頁 (争点) 蘇生措置につき注意義務違反が認められるか否か   (事案) X(当時3歳の男児)は、Y市の経営する病院(以下、Y病院という。)において、昭和55年4月10日から昭和56年1月9日までの間に7回、同年9...

2015年9月10日
選択の視点【No.294、295】

今回は、PTCAにおけるガイドワイヤーにより損傷した際の出血を見落とした医師の過失により、病院側に損害賠償が命じられた事案(No.294)と、カテーテルの挿入・留置について医師の過失はあるものの、不法行為責任は否定されて、遺族が敗訴した事案(No.295)をご紹介します。 No.294の事案で...

2015年9月10日
No.295「大学病院の医師の末期肺がん患者に対する、CVカテーテルの挿入及び留置に関する注意義務違反を認めたが、患者が胸背部痛に苦しんでいた事実あるいは医師の過失と患者に生じた結果との間の因果関係が認められないとして、請求を棄却した地裁判決」

東京地方裁判所 平成22年9月27日判決 判例タイムズ1377号151頁 (争点) CVカテーテルの挿入、留置に係る過失の有無 1の過失と結果(Aの胸背部痛)の発生の有無   (事案) A(昭和22年生・女性・身長約152㎝)は、平成18年1月16日以降、末期の...

2015年9月10日
No.294「PTCAを受けた患者が失血性ショックにより死亡。右腎周囲腔の浸出液を尿漏れと断定して、血管損傷を原因とする腎周囲出血を見落とした過失を認めて病院側に遺族に対する損害賠償を命じた地裁判決」

松江地方裁判所 平成14年9月4日判決 判例タイムズ1129号239頁 (争点) ガイドワイヤーによって腎実質を損傷させた過失の有無 腎周囲出血を見落とした過失の有無 死亡との因果関係の有無   (事案) 患者A(死亡当時62歳の女性)はY病院(Y医療法...

2015年8月10日
選択の視点【No.292、293】

今回は、未破裂脳動脈瘤の手術に関する病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介いたします。 No.292の事案の紹介にあたっては、一審判決(ウエスト・ロー収録)及び差し戻し後の東京高裁判決(平成19年10月18日判決・判例タイムズ1264号317頁)も参考にしました。 差し戻し後の東京高裁判決...

2015年8月10日
No.293「未破裂脳動脈瘤の予防手術として脳動脈瘤塞栓術を実施中に、動脈瘤壁穿孔により術中出血を生じ、出血性脳梗塞により患者に後遺障害が残留。医師に手技上の過失があったとして、原審を維持し病院側の控訴を棄却した高裁判決」

名古屋高等裁判所 平成25年11月22日判決 判例時報2246号22頁 (争点) 血管内治療の手技上の過失(十分なマーカー合わせを怠った注意義務違反)の有無   (事案) 平成18年1月30日、X(昭和30年生まれの女性・専業主婦)は、K総合病院脳神経外科の検診で、右中大脳動...

2015年8月10日
No.292「未破裂動脈瘤の手術における、担当医師の説明義務違反の有無は、開頭手術とコイル塞栓術それぞれに関する知見やカンファレンスで判明した開頭手術に伴う問題点を説明したか否か、いずれの手術を選択するのか、いずれの手術も受けずに保存的に経過を見ることとするのかを熟慮する機会を改めて与えたか否かなどにより判断されるべきとして、事件を差し戻した最高裁判決」

最高裁判所 平成18年10月27日判決 判例タイムズ1225号220頁 (争点) 未破裂動脈瘤手術における担当医師の説明義務の内容   (事案) 大学教授であった患者Aは、平成7年11月10日、講義中に意識障害を起こし、B病院において一過性脳動脈虚血発作の可能性を指摘された。...

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