医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2017年7月 7日
選択の視点【No.338、339】

今回は、手術後の看視や合併症発症の予防に関する医師の注意義務違反が認められ、病院側に損害賠償が命じられた事案を2件ご紹介します。 No.338の事案では、病院側は、本件が小児の浮遊肘の症例であって、その医学的治療方法が現在でも確立していないことから、治療に当たりいかなる措置を講じるかは、経過観察をす...

2017年7月 7日
No.339 「仙棘靱帯子宮頸部固定手術を受けた患者が、術後、肺血栓塞栓症を発症し、後遺症が残ったことにつき、医師に静脈血栓塞栓症の予防に関する注意義務違反があったとして、病院の損害賠償責任を認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成23年12月9日判決 判例タイムズ1412号241頁 (争点) 病院医師らの静脈血栓塞栓症発症の予防に関する注意義務違反の有無 注意義務違反と後遺障害との因果関係の有無 (事案) 平成6年6月、X1(昭和8年生まれの女性)は、Z病院を受診して、子宮脱との診断を受け、膣内にペッサリー...

2017年7月 7日
No.338 「校庭のアスレチック施設から転落した8歳の小学生が、市立病院で上腕骨顆上骨折整復固定術等を受けたが、阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)を発症し、右前腕、右手指等に機能喪失の後遺障害。市立病院の医師らに阻血徴候の看視を怠った過失があったとして、市の損害賠償責任を認めた地裁判決」

仙台地方裁判所 平成13年4月26日 判例時報1773号113頁・判例タイムズ1181号307頁 (争点) Y病院医師らの注意義務違反の有無 (事案) 平成7年5月9日、午前9時30分ころ、X(当時8歳の男子小学生)は小学校の校庭に設置してあったアスレチック施設から転落し、右肘を地面に強く打ったこと...

2017年6月 9日
選択の視点【No.336、337】

今回は、専門医への転医(勧告)義務違反が認められた判決を2件ご紹介します。 No.336の事案では、医師は、本件初診時においては、複数の原因疾患が考えられ、これを特定することが困難であり、もし、この時点で詳細な説明をしなければならないとすれば、疑われるすべての疾患につき詳細な説明をしなければならない...

2017年6月 9日
No.337 「特発性肺線維症の患者が死亡。当初患者の診療を行っていた内科医が、肺疾患の専門医に委ねるべき義務及び説明義務を尽くさず、患者が延命し得た相当程度の可能性を侵害したとして、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」

高松高等裁判所平成18年1月19日判決 判例タイムズ1226号179頁 (争点) 延命の相当程度の可能性の侵害の有無 (事案) A(男性。昭和42年に妻Xと婚姻)は、平成7年2月26日、醤油製造業のR株式会社に就職し、麹を混ぜる作業等に従事するようになり、同年3月下旬ころから、激しい咳が出るようにな...

2017年6月 9日
No.336 「精索捻転症により8歳男児が左睾丸摘出。外科、内科及び消化器内科等を診療科目とする診療所を経営する医師が、初診時に泌尿器科専門医への転医を勧告すべき義務を怠ったとして、医師に損害賠償を命じた地裁判決」

名古屋地方裁判所 平成12年9月18日判決 判例時報1750号121頁 (争点) 初診時における診断上の注意義務の懈怠の有無 初診時における転医勧告義務の懈怠の有無 (事案) 平成5年3月17日午前6時頃、就眠していたX(当時満8歳の小学2年生の男児)が両親に下腹部痛等を訴えた。このときは病院がまだ...

2017年5月16日
選択の視点【No.334、335】

今回は、熱射病に罹患した高校生がその後死亡した事案で、病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.334の事案では、死亡した高校生の父親が医師であり、本人も全国有数の進学校の理数科に進学していたという家庭環境や資質から、将来医者となる蓋然性は高かったとして、遺族は逸失利益の算定にあたり、...

2017年5月16日
No.335 「野球部の練習中に高校生が熱射病に罹患し、その後多臓器不全により死亡。適切な冷却を行わなかった過失があるとして、救急搬送先の市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

福岡地方裁判所平成15年10月6日判例タイムズ1182号276頁 (争点) 適切なクーリング方法を行うべき注意義務に違反した過失の有無 (事案) 平成11年7月28日、A(事件当時15歳の高校1年生)は、午前中、高校の野球部の練習で炎天下の中グランドをランニング中、気分を悪くし意識を失い、同日午後0...

2017年5月16日
No.334 「全校マラソン中に熱射病に罹患し転倒した高校生が、救急病院の医師により脳震盪と診断され、入院後に死亡。救急病院の医師に診察、薬剤投与、全身状態の観察不十分の各過失があるとして遺族への損害賠償を命じた地裁判決」

静岡地方裁判所沼津支部平成 6年11月16日判例時報1534号 89頁 (争点) 診察・検査における医師の懈怠の有無 マンニトールの不適切な投与の有無 治療行為の懈怠の有無 (事案) A(高校1年生・Xらの長男)は、昭和62年10月30日、恒例の学校行事である全校マラソン(以下、本件マラソンという)...

2017年4月20日
選択の視点【No.332、333】

今回は、病院側に胎児心拍数の監視・観察を怠った過失(注意義務違反)が認められた判決を2件ご紹介します。 No.332の事案では、判決文で、「助産婦」と記載されている箇所は「助産師」に改めました。 同事案では、助産師は、新生児を未熟児集中治療室に運んだのは午前4時の分娩直後であって、入院が午前4時6分...

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