医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2022年6月10日
選択の視点【No.456、457】

今回は、医療事故に関連して、カルテ・診療録の改ざんを行った医師・病院に対して、慰謝料の支払いが命じられた裁判例を2件ご紹介します。 No.456の判決紹介に当たっては、別冊ジュリスト183号「医事法判例百選」34頁「16 診療録の改ざん」も参考にしました。 No.456の裁判例では、原告(患者遺族)...

2022年6月10日
No.457「白内障の手術を受けた後、左眼を失明した患者について、医師のカルテの改ざんおよび説明義務違反を認めた地裁判決」

東京地方裁判所令和3年4月30日判決 判例タイムズ1488号177頁 (争点) カルテの改ざんおよび虚偽説明の有無 手術適応の前提となる説明義務違反の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) 第1 平成12年2月頃から平成25年の再受診まで ◇(昭和8年生まれの男性)は、平成12年2月...

2022年6月10日
No.456「出産後に母子が死亡したことにつき、医師の診療録等の改ざんを認定し、不法行為責任(説明義務違反)に当たるとして遺族からの慰謝料請求を認めた地裁判決」

甲府地方裁判所平成16年1月20日判決 判例タイムズ1177号218頁 (争点) 患者の死亡に対する医師の過失の有無 診療録改ざん行為等に対する慰謝料請求の可否 医師が出生後死亡した児を死産としたことに対する慰謝料請求の可否 ※以下、原告を◇1◇2◇3、被告を△と表記する。 (事案) A(当時32歳...

2022年5月10日
選択の視点【No.454、455】

今回は特殊事情のある患者についての転送義務・他科での入院治療を検討すべき義務違反が認められた裁判例を2件ご紹介いたします。 No.454の事案では、転送義務違反と死亡との因果関係や慰謝料の額も争点となりました。 裁判所は、医師が転送義務を尽くしていれば、実際の死亡時点において患者がなお生存していたで...

2022年5月10日
No.455「医師が、高齢の患者についてうつ病として精神科での入院治療を検討すべき注意義務に違反したとして、遺族への慰謝料の支払いを命じた地裁判決」

大阪地方裁判所令和3年2月17日判決 医療判例解説2021年8月(93)号41頁 (争点) うつ病の診断及び治療等についての医師の注意義務違反の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) A(昭和8年生まれの女性)は平成26年9月9日頃、S病院において心気症と診断され、軽いうつ状態の所見...

2022年5月10日
No.454「刑務所に勾留中の者がけいれん発作を起こし死亡。刑務所の法務技官医師に転送義務違反を認めた地裁判決」

高知地方裁判所平成28年2月2日判決 判例時報2302号84頁 (争点) 転送義務違反の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) A(昭和28年生まれ。起訴されたため平成21年6月23日から△刑務所内の拘置場で勾留されていた)は、平成21年7月8日午前中(以下、同日の出来事については...

2022年4月14日
選択の視点【No.452、453】

今回は陣痛誘発剤・陣痛促進剤の投与後に出産した妊婦が大量出血によって死亡したことについて医師の過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.452の事案では、患者遺族は転送義務違反も主張しました。 しかし、裁判所は転送時期としては再出血後で一応の出血軽減の時点以降、血液の届く以前の時点(午後4時...

2022年4月14日
No.453「出産後に大量出血し、敗血症で死亡。医師の陣痛促進剤の投与上の過失が認められた地裁判決」

山口地方裁判所平成5年3月31日判決 判例タイムズ824号197頁 (争点) 陣痛促進剤投与に関する過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) A(初産婦)は、昭和62年9月3日午前3時ころ陣痛が始まり、だんだんと強くなってきたので、同日午前6時30ころ、以前から通院していた△2...

2022年4月14日
No.452「不要な陣痛促進剤の過剰投与をし,輸血量も不足していたため妊婦が出産後に弛緩出血による大量出血により死亡。医師の不法行為責任が認められた地裁判決」

広島地方裁判所平成2年3月27日判決 判例タイムズ730号205頁 (争点) 陣痛誘発上の過失 プロスタルモンE錠を一度に2錠投与した過失 輸血上の過失 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) A(死亡当時31歳の女性。パチンコ店を夫と共同で経営)は、第四子を妊娠したため、昭和60年1月7...

2022年3月 9日
選択の視点【No.450、451】

今回はX線(レントゲン)検査について読影した医師の過失の有無や損害が争点となった裁判例を2件ご紹介します No.450の事案では、第二次判定医が「要経過観察1年後」と診断した根拠の一つとして、「陰影が石灰化による像であろうと考えたが、写真撮影の限界もあるので断定を避けた」との主張がされましたが、裁判...

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