医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2017年6月 9日
選択の視点【No.336、337】

今回は、専門医への転医(勧告)義務違反が認められた判決を2件ご紹介します。 No.336の事案では、医師は、本件初診時においては、複数の原因疾患が考えられ、これを特定することが困難であり、もし、この時点で詳細な説明をしなければならないとすれば、疑われるすべての疾患につき詳細な説明をしなければならない...

2017年6月 9日
No.337 「特発性肺線維症の患者が死亡。当初患者の診療を行っていた内科医が、肺疾患の専門医に委ねるべき義務及び説明義務を尽くさず、患者が延命し得た相当程度の可能性を侵害したとして、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」

高松高等裁判所平成18年1月19日判決 判例タイムズ1226号179頁 (争点) 延命の相当程度の可能性の侵害の有無 (事案) A(男性。昭和42年に妻Xと婚姻)は、平成7年2月26日、醤油製造業のR株式会社に就職し、麹を混ぜる作業等に従事するようになり、同年3月下旬ころから、激しい咳が出るようにな...

2017年6月 9日
No.336 「精索捻転症により8歳男児が左睾丸摘出。外科、内科及び消化器内科等を診療科目とする診療所を経営する医師が、初診時に泌尿器科専門医への転医を勧告すべき義務を怠ったとして、医師に損害賠償を命じた地裁判決」

名古屋地方裁判所 平成12年9月18日判決 判例時報1750号121頁 (争点) 初診時における診断上の注意義務の懈怠の有無 初診時における転医勧告義務の懈怠の有無 (事案) 平成5年3月17日午前6時頃、就眠していたX(当時満8歳の小学2年生の男児)が両親に下腹部痛等を訴えた。このときは病院がまだ...

2017年5月16日
選択の視点【No.334、335】

今回は、熱射病に罹患した高校生がその後死亡した事案で、病院側の責任が認められた判決を2件ご紹介します。 No.334の事案では、死亡した高校生の父親が医師であり、本人も全国有数の進学校の理数科に進学していたという家庭環境や資質から、将来医者となる蓋然性は高かったとして、遺族は逸失利益の算定にあたり、...

2017年5月16日
No.335 「野球部の練習中に高校生が熱射病に罹患し、その後多臓器不全により死亡。適切な冷却を行わなかった過失があるとして、救急搬送先の市立病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

福岡地方裁判所平成15年10月6日判例タイムズ1182号276頁 (争点) 適切なクーリング方法を行うべき注意義務に違反した過失の有無 (事案) 平成11年7月28日、A(事件当時15歳の高校1年生)は、午前中、高校の野球部の練習で炎天下の中グランドをランニング中、気分を悪くし意識を失い、同日午後0...

2017年5月16日
No.334 「全校マラソン中に熱射病に罹患し転倒した高校生が、救急病院の医師により脳震盪と診断され、入院後に死亡。救急病院の医師に診察、薬剤投与、全身状態の観察不十分の各過失があるとして遺族への損害賠償を命じた地裁判決」

静岡地方裁判所沼津支部平成 6年11月16日判例時報1534号 89頁 (争点) 診察・検査における医師の懈怠の有無 マンニトールの不適切な投与の有無 治療行為の懈怠の有無 (事案) A(高校1年生・Xらの長男)は、昭和62年10月30日、恒例の学校行事である全校マラソン(以下、本件マラソンという)...

2017年4月20日
選択の視点【No.332、333】

今回は、病院側に胎児心拍数の監視・観察を怠った過失(注意義務違反)が認められた判決を2件ご紹介します。 No.332の事案では、判決文で、「助産婦」と記載されている箇所は「助産師」に改めました。 同事案では、助産師は、新生児を未熟児集中治療室に運んだのは午前4時の分娩直後であって、入院が午前4時6分...

2017年4月20日
No.333 「出産時の低酸素症により脳性麻痺に罹患した新生児が、身体障害者等級1級の後遺障害を負い、その後に死亡。胎児心拍の連続的な監視や頻繁な監視を実施しなかった医師に過失があるとして病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

鹿児島地方裁判所平成15年1月20日判決 判例タイムズ1164号257頁 (争点) 医師の注意義務違反の有無 医師の注意義務違反と脳性麻痺発症との因果関係 (事案) X1(胎児の母)は、平成3年3月30日の初診以来、約1か月おきにY医師が開設するY産婦人科(以下、Y医院という)において妊娠経過の診察...

2017年4月20日
No.332 「新生児が、低酸素性虚血性脳症の症状を呈する新生児仮死を伴って出生。助産師に、分娩監視装置による適切な胎児心拍数の観察を怠った過失があるとして、病院側に損害賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成5年3月22日判決 判例タイムズ857号228頁 (争点) 病院側の過失及び結果との因果関係の有無 (事案) X1は昭和56年11月ころ妊娠(夫はX2)し、昭和57年2月25日からY医療法人の開設する医療センター(以下、Y医療センターという)において継続的に診療を受け、出産予定日で...

2017年3月15日
選択の視点【No.330、331】

今回は、医師の誤診や、手術の適応に関する医師の過失が認められた事案をご紹介いたします。 No.330の事案では、病院側は、「初診時のCT画像は一般外科医において一義的に肝嚢胞(実際は水腎症でした)と考えてもやむを得ないものであり、このように考えると以後見解を修正することはできないから、担当医師は無過...

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