医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2019年9月 9日
選択の視点【No.390、391】

今回は、検査義務違反が認められた事案を2件ご紹介します。 No.390の事案の紹介にあたっては、原審である名古屋地方裁判所平成23年1月12日判決が掲載された医療判例解説37号123頁(2012年4月号)も参考にしました。 この事案では、患者遺族側は、平成19年1月12日の第1回内視鏡検査の所見がス...

2019年9月 9日
No.391 「入院中に脳梗塞を発症した患者に重度の失語症などの後遺症が残る。医師が脳梗塞の発症を鑑別するための検査を行わなかったとして、検査義務違反を認めた地裁判決」

大阪地方裁判所平成28年3月8日判決 判例時報2318号59頁 (争点) CT撮影後、CT画像の読影に要する時間(約1時間)が経過した11月13日午後8時頃の時点において、医師に、患者の脳梗塞発症を診断し、治療を開始すべき義務の違反があったか否か 11月13日午後8時頃の時点において、医師に、患者の...

2019年9月 9日
No.390 「市立病院で診察を受けていた患者がスキルス胃癌により死亡。できるだけ早期に診断確定するための再検査を実施しなかったとして、注意義務違反による過失を認定し、過失がなければ患者が生存していた相当程度の可能性が侵害されたとして、市に損害賠償を命じた高裁判決」

名古屋高等裁判所平成25年4月12日判決 ウェストロージャパン (争点) 過失(検査義務違反)の有無 (事案) 平成18年12月25日、A(昭和12年生まれの女性)は前胸部から背部痛を訴えてY市の開設する病院(以下、「Y病院」という。)を受診し、Y病院内科のD医師(消化器内科医。以下、「担当医師」と...

2019年8月 9日
選択の視点【No.388、389】

今回は、開腹手術に比べて侵襲が少ない内視鏡手術や腹腔鏡下手術における、医師の過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.388の事案では、患者は、慰謝料として630万円を請求していたところ、裁判所は、患者が本件各手術後、治療を続けていたが、人工尿道括約筋埋込術を受けるまでの約2年3ヶ月の間、高...

2019年8月 9日
No.389 「腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた患者に大腸癒着の後遺症が残る。医師が術中に電極を腸管に接触させて穿孔させたか、または、腸管壁の近くを剥離して熱損傷を与えて術後に穿孔させたかいずれかの過失があると判断した地裁判決」

横浜地方裁判所平成13年7月13日判決 判例タイムズ1183号314頁 (争点) 腹腔鏡下胆嚢胆摘出術により十二指腸に穿孔を生じさせた過失の有無 (事案) 平成9年2月26日、X(昭和10年生まれの女性・公園内で売店を経営)は、Y社団法人の経営する病院(以下、「Y病院」という。)で成人病検診を受けて...

2019年8月 9日
No.388 「前立腺肥大症により経尿道的前立腺切除術を受けた患者に尿失禁等が発生。術後の出血に対する経尿道的凝固止血術の際、医師が外尿道括約筋を損傷した過失があるとした地裁判決」

横浜地方裁判所川崎支部平成12年3月30日判決 判例タイムズ1101号232頁 (争点) 医師が外尿道括約筋を損傷した過失の有無 (事案) 平成3年8月24日、X(妻子がおり、稼働している男性)は、Y医療法人の経営する病院(以下、「Y病院」という。)泌尿器科でH医師の診察を受け、1年前から残尿感、頻...

2019年7月 9日
選択の視点【No.386、387】

今回は、患者の重大な疾患を発見できなかった医師の過失が認められた裁判例2件ご紹介します。 No.386の事案では、検査の懈怠により患者のスキルス胃癌を発見できなかった病院の債務不履行と患者の精神的損害との因果関係についても争点となりました。裁判所は、平成2年2月ないし3月ころに再度胃のレントゲン検査...

2019年7月 9日
No.387 「腰背部痛を訴える患者に対する診察に過失があり、腹部大動脈瘤の破裂を発見できず、患者が死亡。遺族の請求を全部棄却した一審判決を変更して、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」

広島高等裁判所平成30年2月16日判決 医療判例解説77号42頁(2018年12月号)  (争点) 診察時に、患者は腹部大動脈瘤が既に破裂し、又は切迫破裂の状態にあったか否か 診察をした神経内科医師に過失があったか否か (事案) 患者A(69歳の男性)は、平成9年末頃から平成10年2月にかけて、脳血...

2019年7月 9日
No.386 「内科から泌尿器科に転科した入院患者につき膀胱後部の腫瘍がスキルス胃癌の転移によるものと発見できず、その後、患者が自殺。転科から4、5ヶ月経過後の胃部の内視鏡、レントゲン検査を懈怠した病院の債務不履行責任を認めた地裁判決」

広島地方裁判所平成7年12月5日判決 判例時報1589号95頁 (争点) 入院当初の検査は本件診療契約に照らし十分なものであったか否か 泌尿器科への転科後の検査等は本件診療契約に照らし十分なものであったか否か (事案) A(当時54歳・旅館経営の男性)は、平成元年9月9日、強度の腰痛を訴え、B診療所...

2019年6月 7日
選択の視点【No.384、385】

今回は、術後管理について病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介いたします。 No.384の事案では、病院側は、患者が脳梗塞の後遺症で半身不随の状態にあったし、約2年程以前に意識不明の状態になったこともあり、高血圧の治療中であるという既往症の存在や、胃がんとその手術に伴う侵襲、高齢(78歳)といった...

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