医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2021年9月10日
選択の視点【No.438、439】

今回は、分娩方法の選択に関連して医師の過失が認められた裁判例を2件ご紹介いたします。 No.438の事案で、病院側は、分娩方法選択は医師の裁量の範囲内にあると主張しました。これに対し、裁判所は、もとより、複雑な分娩機序と分娩の個別性にかんがみれば、一般論としては、産科医が分娩方法として帝王切開術を選...

2021年9月10日
No.439「重度新生児仮死の状態で出生し、重度の脳障害を負ったことにつき、当直医師・助産師に分娩監視義務違反および当直医師に帝王切開手術を施行しなかった過失を認めた地裁判決」

東京地方裁判所平成16年3月12日判決 判例タイムズ1212号245頁 (争点) 分娩監視義務違反の有無 分娩方法及び時期の選択における過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇2は平成6年9月に懐胎し、同月22日、A大学医学部附属病院を受診し、同病院医師から、分娩予定日が平成...

2021年9月10日
No.438「巨大児を経膣分娩させ、肩甲難産の結果左腕に麻痺が残る。国立病院の医師に、分娩方法の選択を誤った過失があるとした高裁判決」

広島高等裁判所松江支部平成4年12月11日判決 判例時報1486号73頁 (争点) 胎児娩出術施行上の過失の有無 分娩方法選択の過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) 昭和59年5月ころ、Bは第一子である◇を懐妊し、同年7月11日より、M医師の、昭和60年1月24日からは帰郷分...

2021年8月 6日
選択の視点【No.436、437】

今回は手術における医師手技等が争点となった裁判例を2件ご紹介します。 No.436の事案では、病院側は、骨折部の骨接合手術(本件手術)と患者の左尺骨神経の断裂との間には因果関係がない旨主張しました。しかし、裁判所は、患者の左尺骨神経麻痺は手術後、知覚脱失となるほどに増悪し、その後の転院後間もなく行わ...

2021年8月 6日
No.437「変形性頸椎症の患者が神経根減圧開窓術及び椎弓形成術を受け、脊髄損傷による後遺症を負ったことにつき、医師らの手術手技上の過失は否定したが医師らの説明義務違反を認めた地裁判決を維持した高裁判決」

東京高等裁判所平成28年9月7日判決 医療判例解説67号(2017年4月号)87頁 (争点) 医師らの説明義務違反の有無 医師らの手技上の過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(昭和19年生まれの男性・財団法人の嘱託として勤務していた)は、平成7年ころから、右上肢の脱力感が...

2021年8月 6日
No.436「高校生が自転車転倒事故で左上腕骨顆上骨折をし、骨接合手術を受けたが手術時に尺骨神経を損傷し、手術部に感染症を発症し、後遺障害が残った。主治医兼執刀医の過失を認めた地裁判決」

福岡地方裁判所平成5年5月27日判決 判例タイムズ857号220頁 (争点) 患者の左尺骨神経の断裂に関する執刀医(主治医)の過失の有無 患者の骨折部の感染症発生に関する主治医(執刀医)の過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(事故当時高校生...

2021年7月 9日
選択の視点【No.434、435】

今回は、医師が診断を誤り、患者が死亡した事案を2件ご紹介いたします。 No.434の事案では、医師側は、患者が転院する以前に、前医において急性膵炎を疑診(又は診断)することが可能であり、患者の急性膵炎は前医において診断し、治療すべきであったにもかかわらず、前医は急性膵炎を全く疑っておらず、その責任は...

2021年7月 9日
No.435「入院中の患児が死亡したのは、市立病院の医師が喘息性気管支炎と誤診して、低酸素血症罹患を看過し、適切な検査及び治療を実施しなかった過失によるとした地裁判決を維持した高裁判決」

札幌高等裁判所平成15年4月17日判決 判例タイムズ1168号244頁 (争点) 患者の死亡原因 患者が低酸素血症に罹患していることを疑診しなかった医師の過失の有無 (事案) 平成5年4月27日、AはY市が開設管理する病院(以下、「Y病院」という。)において出生し、その後もY病院において検診を受けて...

2021年7月 9日
No.434「患者が急性出血性膵炎で死亡。医師が重症急性膵炎と疑診せず、必要な治療をしなかった過失があるとした地裁判決」

東京地方裁判所平成5年6月14日判決 判例時報1498号89頁 (争点) 患者が急性膵炎であると疑診又は診断することの可能性 医師の過失と患者の死亡との因果関係の有無 (事案) A(当時32歳の男性、某会社技術部勤務)は、昭和62年8月27日午前10時ころから、腹痛を感じ、当夜勤務先で宿直業務に...

2021年6月10日
選択の視点【No.432、433】

今回は、歯科医師の責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.432の事案では、死亡した女児の慰謝料(1000万円)の算定に関して、裁判所は、「およそ死に至るとは夢想だにしない歯科治療の場で、付き添って来ていた母親からドア越しでは声もかけて貰えずに生命を絶たれ、しかも、抜歯の際に生じうる窒息死...

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