医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2018年9月 6日
No.367 「常位胎盤早期剥離から産科DICを発症し妊婦が死亡。遺族の請求を棄却した一審判決を変更して、医師らに産科DIC防止に関する過失、ショックに対する治療に関する過失、出血量チェック及び輸血に関する過失があるとした高裁判決」

東京高等裁判所平成28年5月26日判決 判例タイムズ1441号42頁 (争点) 常位胎盤早期剥離発症時における産科DIC防止に関する過失の有無 産科DIC及びショックに対する治療に関する過失の有無 (事案) A(身長164cmの女性)は、Y医療法人の運営する病院(以下、「Y病院」という。)の産婦人科...

2018年9月 6日
No.366 「新生児仮死の状態で出生した子が、重症酸素性脳障害の後遺障害を負い、その後、気管狭窄のため死亡。医師に胎児仮死遷延回避義務違反を認めた地裁判決」

福岡地方裁判所平成18年1月13日判決 判例時報1940号140頁 (争点) 新生児仮死発生の機序 胎児仮死遷延回避義務違反 胎児仮死遷延回避義務違反と損害との因果関係 (事案) 平成4年9月1日、X1は、Y医療法人の開設する産婦人科(以下、「Y医院」という。)で、Y医療法人の理事長でもあるH医師の...

2018年8月10日
選択の視点【No.364、365】

今回は、薬剤投与に関する医師の過失が認められた事案を2件ご紹介します。 No.364の事案では、動脈管の閉鎖予防に有効なパルクスの点滴静注中止について、病院側は、代わりにプロスタルモンの経口投与を継続したので問題はないと主張しました。しかし、裁判所は、プロスタルモンは、一般に妊娠末期における陣痛誘発...

2018年8月10日
No.365 「国立大学病院で脳血管造影検査を受けた患者が脳出血を起こし死亡。検査中に患者に異常が認められたにもかかわらず、検査を続行し、血栓溶解剤ウロキナーゼを合計2回にわたり48万単位投与した医師の過失を認めた高裁判決」

高松高等裁判所平成14年8月29日 判例時報1816号 69頁 (争点) 検査を実施した医師の責任の有無 (事案) A(当時82歳の男性・個人商店経営)は、子とともに、平成6年6月15日、国の設置する大学病院(以下、「Y病院」という。)脳神経外科外来を受診した(以下、特別の記載のない限り同年のことと...

2018年8月10日
No.364 「大学病院で、ファロー四徴症に対する姑息手術を受けた0歳児が動脈血酸素飽和度の低下により死亡。動脈管閉鎖への対応措置を怠った医師の過失を認定した地裁判決」

東京地方裁判所平成13年7月5日判例タイムズ 1131号 217頁 (争点) 患者が死亡するに至った機序 患者の死亡は病院医師の過失によるものであるか否か (事案) 平成6年7月21日、A(女児・出生体重2195グラム)は、Y学校法人が開設・経営するY大学医学部附属Y病院(以下「Y病院」という。)で...

2018年7月10日
選択の視点【No.362、363】

今回は、手術の適応判断に関する医師の過失が認められた高裁判決を2件ご紹介いたします。 No.362の紹介にあたっては、一審判決(松山地裁平成15年9月16日判決・判例タイムズ1200号258頁)も参考にしました。 No.362の事案では、控訴人病院側は、患者に施した一連の心蘇生術の手技は、ACLS(...

2018年7月10日
No.363 「カテーテルアブレーションを受けた患者が術後脳梗塞を発症し重大な後遺症が残ったことについて、医師の過失を否定した地裁判決を破棄し、医師に血栓を疑わせる所見がないことを確認する注意義務を尽くさなかった過失を認めた高裁判決」

名古屋高等裁判所平成29年7月7日判決 判例時報2349号 34頁 (争点) カテーテルアブレーションを実施する医師の注意義務違反の有無 (事案) 平成22年7月10日、X(本件施術当時63歳の男性)は、Eクリニックにおいて持続性心房細動、心不全等の診断を受けた。(以下、平成22年の事柄については、...

2018年7月10日
No.362 「県立病院での経皮的冠動脈形成手術(PTCA)終了直後に、患者に急性冠閉塞が起こり、低酸素脳症に陥りその後死亡。冠動脈バイパス手術(CABG)を第一選択とすべき義務や、急変後速やかに経皮的心肺補助装置(PCPS)を装着すべき義務を怠った過失を認めた高裁判決」

高松高等裁判所平成16年7月20日判決 判例タイムズ1200号 254頁 (争点) 術式選択における過失の有無等 (事案) 平成8年7月5日、A(57歳男性)はY県が開設する病院(以下、「Y病院」という。)の内科医であるBの外来診察を受け、不安定狭心症と診断され、同年10月2日には、心臓カテーテル検...

2018年6月 7日
選択の視点【No.360、361】

今回は、市立病院における医師の注射や手術において、注射位置が適正でなかったことや、手術部位を誤認したことにつき、病院側の責任が認められた事案を2件ご紹介します。 No.360の事案では、患者側は、後遺障害逸失利益の請求もしましたが、裁判所は、患者の左肩に残存した後遺障害(患者の疼痛は、相当程度に軽減...

2018年6月 7日
No.361 「市立病院で、手術部位の誤認により、固定する必要のない椎間を固定。患者主張の障害は否定したが、慰謝料及び弁護士費用の損害額を一審よりも増額した高裁判決」

大阪高等裁判所平成27年9月3日判決 ウェストロー・ジャパン (争点) 固定する必要のない椎間を固定したことによって患者に生じた障害 (事案) X(症状固定時44歳の女性)は、平成18年9月4日、Y市が設置・運営する病院(以下、「Y病院」という。)において、第6・第7頸椎間(以下「C6/7」という。...

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