医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2020年10月 9日
選択の視点【No.416、417】

今回は、産婦人科医の不法行為責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.416の事案で、医師は、薬剤(イトリゾール)処方時に催奇形作用の説明をしなかったことにつき、患者が初診時に結婚以来避妊していたと述べたため、その後も避妊し続けると考えたこと、患者には排卵障害があり妊娠しないと判断したことか...

2020年10月 9日
No.417 「常位胎盤早期剥離の疑いが濃厚な状況にもかかわらず、宿直医が早期に帝王切開を行わなかった結果、胎児が出産直前に死亡。宿直医の過失隠ぺい行為なども考慮して高額の慰謝料を含む損害賠償を命じた地裁判決」

東京地方裁判所平成14年12月18日判決 判例タイムズ1182号295頁 (争点) 宿直医の診療上の過失の有無 逸失利益及び慰謝料 (事案) X1は、平成9年12月2日にY1医師の開設する産科・婦人科病院(以下、「Y病院」という。)で診察を受け、平成10年8月6日に出産予定と診断された。 平成10年...

2020年10月 8日
No.416 「催奇形性作用について説明されることなくイトリゾールを処方され服用した女性が妊娠し、やむなく人工妊娠中絶手術に至ったとして、産婦人科医に薬剤の副作用についての説明義務違反が認められた事案」

大阪地方裁判所平成14年2月8日判決 判例タイムズ1111号163頁 (争点) 説明義務違反の有無 慰謝料額 (事案) X(昭和47年生まれで、平成10年4月に結婚した女性)は、平成11年3月19日、生理不順による不正出血を理由として、Y医師(産婦人科医)の経営するクリニック(以下、「Yクリニック」...

2020年9月10日
選択の視点【No.414、415】

今回は、どこまでが医師の過失と相当因果関係のある損害なのかが争点となった裁判例を2件ご紹介いたします。 No.414の事案では、交通事故の加害者及び車両の所有者は、事故被害者である患者に対して、逸失利益や後遺障害慰謝料等の損害賠償として、連帯して2870万5217円の支払が命じられましたが、交通事故...

2020年9月10日
No.415 「ショートステイ利用者が付き添いなしに口腔ケアを行った際に、転倒して右大腿骨頸部を骨折し、その約半年後、誤嚥性肺炎により死亡。介護事業者に安全配慮義務違反があったとしつつ、死亡との因果関係は否定し、骨折の治療費等や慰謝料の損害賠償を命じた地裁判決」

さいたま地方裁判所平成30年6月27日判決 判例時報2419号56頁 (争点) 安全配慮義務違反の有無 転倒事故と死亡との間の相当因果関係の有無 (事案) 平成20年11月23日、A(昭和25年生まれ・男性・加工会社勤務)は、脳内出血により右完全片麻痺が出現し、平成21年1月15日から同年6月9日ま...

2020年9月10日
No.414 「大学病院医師が、交通事故により負傷した患者に抜釘術を行う際、内側足底神経を刺激ないし損傷した過失があるとして、患者の精神的苦痛との間の因果関係を認め、交通事故との共同不法行為は否定した地裁判決」

東京地方裁判所平成19年9月27日判決 ウエストロー・ジャパン (争点) 医師の過失の有無 医師の過失と患者の損害との間の相当因果関係の有無 交通事故と医療過誤との共同不法行為の有無 (事案) 平成8年12月25日午後3時10分ころ、X(事故当時54歳)が横断歩道を青信号に従...

2020年8月 6日
選択の視点【No.412、413】

今回は定期健康診断での過失により患者に生じた損害のうち、逸失利益が争点となった事例を2件ご紹介いたします。 No.412の事案では、患者(国際線パイロット)は、再就職後も67歳の定年まで1200万円の年収が確保されているとして、再就職後の減収分についても後遺症による逸失利益として請求しましたが、裁判...

2020年8月 6日
No.413 「定期健診の胸部レントゲン写真上に異常所見があったのに、別人の検査票に記入した過失により、肺癌の発見が遅れ、患者が死亡。過失がなければ平均余命まで生存できた高度の蓋然性があったとして逸失利益が算定された地裁判決」

仙台地方裁判所平成18年1月26日判決 判例時報1939号92頁  (争点) 平成14年の検査の当時、肺癌がリンパ節に転移していたかどうか(平成14年に外科的治療を受けていれば何年間生存できたかどうかが、Aの逸失利益の算定に係わる) (事案) A(家事に従事する傍ら保険の外交員として稼働・女性)は、...

2020年8月 6日
No.412 「国際線パイロットが、定期健診の大腸検査で医師の過失により大腸に穿孔が生じたことにより、会社から国際線乗務を禁止されて収入が減少。病院側に減収分の逸失利益の損害賠償が命じられた地裁判決」

神戸地方裁判所平成16年10月14日判決 判例時報1888号122頁 (争点) 医師の過失の有無 逸失利益の有無 (事案) 平成13年7月26日(以下、特別の断りのない限り同年のこととする)、X(当時51歳の男性・機長)は定期健診の一環として、Yの開設する病院(以下、「Y病院」という。)内科において...

2020年7月10日
選択の視点【No.410、411】

今回は、交通事故後の入院治療中に患者が死亡した場合に医師の過失が認められた事案を2件ご紹介いたします。 No.410の事案では、病院側(被告医療法人)は、患者遺族(原告)に対し、患者の剖検を勧めたにもかかわらず、遺族がそれを拒否したため、病院側は過失がなかったことを証明する手段を遺族らによって奪われ...

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