医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2018年2月 8日
選択の視点【No.352、353】

今回は、手術後の経過観察義務違反や検査義務違反が認められた事案を2件ご紹介します。 No.352の事案では、患者(専業主婦)は肛門括約筋の受傷時から完治までの間、ガス漏れや大便漏れ(月2回ないし3回程度)のため買物や散歩のための外出を控えざるを得なかったとして、裁判所は、患者が肛門括約筋断裂により労...

2018年2月 8日
No.353 「日帰りで内痔核根治術を受けた患者が4日後に敗血症により死亡。手術3日後の救急搬送時に血液検査を行わず、その後の血液検査結果からも患者の状態が重篤と判断しなかった医師らの過失を認めた地裁判決」

千葉地方裁判所平成28年3月25日判決 医療判例解説63号(2016年8月号)79頁 (争点) 救急搬送による入院時に血液検査を行わなかった過失の有無 Y3医師が血液検査から重篤であると判断しなかった過失の有無 (事案) 平成22年1月20日、A(昭和24年生まれの女性・主婦・平成11年にゴム輪結紮...

2018年2月 8日
No.352 「出産後の肛門括約筋断裂につき、会陰切開後の創部感染によるものとして、医師の経過観察義務違反を認定した地裁判決。」

京都地方裁判所平成3年12月5日判決判例タイムズ788号 252頁 (争点) 経過観察義務違反の有無 (事案) X(分娩時29歳の女性・専業主婦)は、昭和59年4月21日午前6時頃、Y医師の開設、経営する産婦人科病院(以下、Y病院という)に入院し、同日午前6時30分第一子を、同36分第二子をそれぞれ...

2018年1月10日
選択の視点【No.350、351】

今回は、薬剤不投与に関する病院の過失が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.350の事案では、病院側は、当時は経口摂取中のビタミン補給に対する保険診療の査定が厳しかった旨主張しましたが、裁判所は、患者が厚生省(当時)の保険診療に関する運用通達が定める要件を充足しており、当該患者については高カロ...

2018年1月10日
No.351 「サンディミュン投与による免疫抑制療法を行っていた再生不良性貧血患者に対して投与を中止したが、患者が死亡。サンディミュンの再投与が遅れたとして県立病院側の責任を認めた高裁判決。」

仙台高等裁判所平成28年2月26日判決 医療判例解説70号62頁 (争点) サンディミュン再投与義務違反の有無 (事案) 平成6年7月4日、A(昭和26年生まれの女性)は、倦怠感などを訴え、Y県が設置・管理する病院(以下、Y病院という)で診察を受けたところ、7月6日、再生不良性貧血と診断された。 A...

2018年1月10日
No.350 「手術後の高カロリー輸液療法中に患者が衝心脚気により死亡。医師がビタミンB1の混入投与を失念した過失があるとして、病院側に損害賠償を命じた高裁判決」

大阪高等裁判所平成13年1月23日判決 判例時報1764号 70頁 (争点) 高カロリー輸液療法中に総合ビタミン剤投与を失念した医師の過失の有無 (事案) A(昭和9年1月生まれの女性)は、平成6年8月6日朝より腹痛、悪寒、嘔吐を訴えてY医療法人が経営するY病院に入院した。 Aは、小腸が以前の虫垂炎...

2017年12月 8日
選択の視点【No.348、349】

今回は、医師側の損害賠償義務を認める一方で、損害額の算定においては、患者側の過失や損害への寄与が考慮された裁判例を2件ご紹介します。 No.348の事案では、医師の誤診を認定されましたが、裁判所は、患者が異常に肥満していることを医師が良く知っており、かつて慢性胃炎の治療をしたこともあって常々食べ過ぎ...

2017年12月 8日
No.349 「甲状腺疾患の治療中の患者が肝がんに罹患。病院側には肝機能悪化時に肝臓専門医を紹介すべき義務の違反があるが、損害のうち、患者が各種検査を受診しなかった過失や、患者がB型肝炎ウイルスキャリアであったことの損害への寄与を考慮し、過失相殺(患者の過失及び寄与4割)をした地裁判決」

京都地方裁判所平成 28年2月17日判決 判例時報2332号 58頁 (争点) XとY医療法人との間におけるXのB型肝炎の治療を目的とする診療契約の成否 Y医療法人の債務不履行の有無 Y医療法人の債務不履行とXの肝硬変及び肝がん罹患との因果関係の有無 過失相殺の可否 (事案) X(昭和27年生まれの...

2017年12月 8日
No.348 「高校1年生の男子生徒が糖尿病性昏睡により死亡。急性胃炎と誤診した医師の過失を認めたうえ、患者生徒に保護者の付添がなく正確な症状が伝えられなかったことと、患者生徒の多飲多食が病状を悪化させたとして過失相殺(患者生徒の過失7割)をした地裁判決」

広島地方裁判所尾道支部所平成元年5月25日判決 判例時報1338号 127頁 (争点) Y医師の診断が債務不履行にあたるか否か 患者側に過失があるか否か (事案) A(当時16歳の県立高校1年生男子。身長157.4㎝、体重94.6㎏)は、昭和56年8月7日、母であるX2に対して、足がふらふらする、体...

2017年11月 9日
選択の視点【No.346、347】

今回は、クモ膜下出血の診断ができずに患者が死亡に至った事案で病院側の責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.346の事案では、外科医院を開業している医師が、患者に腰椎穿刺を試みたがうまく刺入することができず断念し、再度試みなかった理由として、患者の腰椎の著明な変形を挙げましたが、裁判所は、...

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