医療判決紹介:最新記事

医療関連訴訟の判例・裁判例からは多くを学べます。彼らは何故勝訴し、何故敗訴したのでしょう。

2021年8月 6日
選択の視点【No.436、437】

今回は手術における医師手技等が争点となった裁判例を2件ご紹介します。 No.436の事案では、病院側は、骨折部の骨接合手術(本件手術)と患者の左尺骨神経の断裂との間には因果関係がない旨主張しました。しかし、裁判所は、患者の左尺骨神経麻痺は手術後、知覚脱失となるほどに増悪し、その後の転院後間もなく行わ...

2021年8月 6日
No.437「変形性頸椎症の患者が神経根減圧開窓術及び椎弓形成術を受け、脊髄損傷による後遺症を負ったことにつき、医師らの手術手技上の過失は否定したが医師らの説明義務違反を認めた地裁判決を維持した高裁判決」

東京高等裁判所平成28年9月7日判決 医療判例解説67号(2017年4月号)87頁 (争点) 医師らの説明義務違反の有無 医師らの手技上の過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(昭和19年生まれの男性・財団法人の嘱託として勤務していた)は、平成7年ころから、右上肢の脱力感が...

2021年8月 6日
No.436「高校生が自転車転倒事故で左上腕骨顆上骨折をし、骨接合手術を受けたが手術時に尺骨神経を損傷し、手術部に感染症を発症し、後遺障害が残った。主治医兼執刀医の過失を認めた地裁判決」

福岡地方裁判所平成5年5月27日判決 判例タイムズ857号220頁 (争点) 患者の左尺骨神経の断裂に関する執刀医(主治医)の過失の有無 患者の骨折部の感染症発生に関する主治医(執刀医)の過失の有無 ※以下、原告を◇、被告を△と表記する。 (事案) ◇(事故当時高校生...

2021年7月 9日
選択の視点【No.434、435】

今回は、医師が診断を誤り、患者が死亡した事案を2件ご紹介いたします。 No.434の事案では、医師側は、患者が転院する以前に、前医において急性膵炎を疑診(又は診断)することが可能であり、患者の急性膵炎は前医において診断し、治療すべきであったにもかかわらず、前医は急性膵炎を全く疑っておらず、その責任は...

2021年7月 9日
No.435「入院中の患児が死亡したのは、市立病院の医師が喘息性気管支炎と誤診して、低酸素血症罹患を看過し、適切な検査及び治療を実施しなかった過失によるとした地裁判決を維持した高裁判決」

札幌高等裁判所平成15年4月17日判決 判例タイムズ1168号244頁 (争点) 患者の死亡原因 患者が低酸素血症に罹患していることを疑診しなかった医師の過失の有無 (事案) 平成5年4月27日、AはY市が開設管理する病院(以下、「Y病院」という。)において出生し、その後もY病院において検診を受けて...

2021年7月 9日
No.434「患者が急性出血性膵炎で死亡。医師が重症急性膵炎と疑診せず、必要な治療をしなかった過失があるとした地裁判決」

東京地方裁判所平成5年6月14日判決 判例時報1498号89頁 (争点) 患者が急性膵炎であると疑診又は診断することの可能性 医師の過失と患者の死亡との因果関係の有無 (事案) A(当時32歳の男性、某会社技術部勤務)は、昭和62年8月27日午前10時ころから、腹痛を感じ、当夜勤務先で宿直業務に...

2021年6月10日
選択の視点【No.432、433】

今回は、歯科医師の責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。 No.432の事案では、死亡した女児の慰謝料(1000万円)の算定に関して、裁判所は、「およそ死に至るとは夢想だにしない歯科治療の場で、付き添って来ていた母親からドア越しでは声もかけて貰えずに生命を絶たれ、しかも、抜歯の際に生じうる窒息死...

2021年6月10日
No.433 「フルマウスリハビリテーション術について歯科医師の説明義務違反を認めた地裁判決」

東京地裁平成12年12月8日 判例タイムズ1108号225頁 (争点) 治療方法選択の誤りの有無 説明義務違反の有無 (事案) X(女性)は、平成4年5月1日、数年前から顕著になってきた下顎中切歯(前歯の中心に位置する2本の切歯)間の隙間などについて審美的改善を行いたいと考え、Y歯科医院において歯科...

2021年6月10日
No.432 「4歳児の抜歯した乳歯が口内に落ち、歯科医師が小児の上半身を起こし背中をたたき、小児が窒息により死亡。異物落下時の対処に関する歯科医師の注意義務違反を認めた地裁判決」

浦和地方裁判所熊谷支部平成2年9月25日判決 判例タイムズ738号151頁 (争点) 歯科医師の注意義務違反の有無 過失相殺をすべきか否か (事案) 昭和61年8月21日、A(当時4歳の女児)は歯科医師Y1の経営する歯科医院(以下、「Y医院」という。)に母親X2に付添われて訪れた。 Y医院に勤務する...

2021年5月10日
選択の視点【No.430、431】

今回はカテーテルを用いた治療に関する医師の過失が認められた判決を2件ご紹介いたします。 No.430の事案では、手術を見学していた患者の主治医(研修医)が、問題となった2回目の閉塞試験につき、左椎骨動脈の後下小脳動脈との分岐部より遠位で実施されたとの記載をカルテにしていました。この点に関して、当該主...

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