今回は、検査結果の読影に関し、病院側の責任が認められた裁判例を2件ご紹介します。
No.546の紹介にあたっては、一審判決(岐阜地方裁判所平成27年4月15日判決 ウェストロー・ジャパン)も参考にしました。
No.546の事案では、控訴審裁判所は、被控訴人(病院を開設する法人)は、患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性を侵害したことにつき損害賠償責任を負うところ、平成19年10月15日における患者のCT画像を確認すればその肝臓には明らかな異常が見られるにもかかわらず、これを見落としたばかりか、同年12月18日に患者の肝臓について浸潤性の腺癌と判断した後にも、それまで実施したCT画像(平成19年6月11日、同年10月15日実施)を確認することはなく、腫瘍の倍増時間の検討を行うこともなく、そのため腫瘍の倍増速度等のその後の治療の参考となるような資料を作成することもしていないのであり(なお、弁論の全趣旨によれば、被控訴人は、本件訴訟に至って初めて過去の患者の肝臓に係るCT画像を確認し、腫瘍倍増時間の検討を行ったものと認められるのである。)、患者が適切な治療を受ける権利が著しく害されたものと評価しうることに照らし、その慰謝料としては450万円を認めるのが相当であると判示し、一審判決よりも慰謝料を増額しました。
No.547の事案では、裁判所は、リウマチ科医には患者の結核の再燃の可能性を念頭において注意深く画像を読影する注意義務があったと認定しました。他方、胸部X線写真の画像はCT検査の画像より精度が低いことから、胸部X線写真による粟粒結核の診断は専門医である呼吸科医でも難しいとされていることを勘案すれば、リウマチ科医が画像によって患者が粟粒結核を発症している可能性があると疑うことができたと認めるのは困難というべきであると判示して、患者に呼吸器内科を受診するよう勧める注意義務までは認めませんでした。
両事案とも実務の参考になるかと存じます。














