今回は、術式選択に関連して医師の過失が争点となった裁判例を2件ご紹介します。
No.560の事案では、裁判所は、判決中で、被告病院に設置された事故調査委員会が実施した医療事故調査の報告書を引用しています。そこには、被告病院の緊急時の医療体制に関し、(ア)急変時の相談機関として導入されているТ―ICU(遠隔集中治療支援システム)がうまく活用されているとはいえない。(イ)夜間や休日にいつでも緊急開腹手術ができる体制が整備されていない。(ウ)被告病院で緊急開腹手術を行うことができない場合に、速やかに開腹手術可能な病院に転送する体制が整えられていない。(エ)輸血の発注から実施までに1時間以上かかる。ことが問題点として指摘されています。
No.561の事案では、被告医師らの説明義務違反も認められました。そして、裁判所は、原告が本件手術を受けるか否かについて相応に迷っていたとうかがわれること、原告は本件手術当時33歳と若年で、その症状もめまい等の重篤なものではなかったこと等に照らせば、被告医師らから、TVEを実施する可能性があることや、原告のDAVFに対してはTVEではなくTAEを実施することが一般的であること等について適切な説明を受けていれば、TVEを実施する可能性のある本件手術には同意しなかった高度な蓋然性があったと判断しました。
両事案とも実務の参考になるかと存じます。














